千のランタンが灯す江西省・葛仙村 夜を彩る光の祭り
中国本土・江西省上饒市の葛仙村で、千個ものランタンが夜空を照らす幻想的な光景が話題になっています。夏と10月初旬に行われるランタン祭りは、伝統文化と観光が融合した注目の国際ニュースです。
千のランタンが照らす、葛仙村の夜
日が沈むと、上饒市にある葛仙村は一変します。無数のランタンに照らされ、村全体が「光の海」に包まれるような光景になるからです。訪れた人びとは、石畳の道や古風な建物のあいだから、柔らかな灯りが揺れる様子を眺めながら、静かな夜の散歩を楽しみます。
ランタンの数は「千」といわれ、上から見下ろすと村が丸ごと一つの巨大な灯籠のようにも見えるといいます。商業的なネオンではなく、手元の明かりが連なったような温かい光であることが、この祭りの雰囲気をいっそう特別なものにしています。
夏と初秋に楽しめる「光のツアー」
葛仙村のランタン祭りは、例年、夏と10月初旬の二つの季節に開かれます。2025年も、暑さがやわらぐ夕方から夜にかけて多くの人びとが訪れ、光に包まれた村を巡る「夢のようなツアー」を楽しみました。
夜のツアーでは、来訪者はランタンに導かれるように村を歩きながら、伝統的な建築や景観をゆっくりと味わうことができます。昼間は見落としがちな細かな装飾や路地裏の風景も、灯りに浮かび上がることで別世界のように感じられます。
伝統衣装「漢服」とナイトウォークがつなぐ文化体験
このランタン祭りには、漢服(ハンフー)と呼ばれる伝統衣装を身にまとった愛好家も多く集まります。漢服は、中国の歴史的な装いを現代によみがえらせた服飾スタイルで、近年、若い世代の間で人気が高まっています。
灯りに照らされた漢服のシルエットは、古典絵巻の一場面のようにも見えます。現地を訪れた「夜の散歩者」たちは、歩きながら写真を撮ったり、静かに景色を眺めたり、それぞれのペースで夜の時間を過ごします。華やかさよりも、しっとりとした没入感のある体験が好まれているのが印象的です。
葛仙村が示す「観光+文化」の可能性
葛仙村のランタン祭りは、単なる観光イベントではなく、地域に根ざした文化や景観をどう見せるかという試みでもあります。村の持つ歴史や暮らしの風景を尊重しつつ、光の演出によってその魅力を際立たせている点が特徴です。
国際ニュースとしても、このような取り組みは、観光開発と文化保護を両立させる一つのヒントとして注目されています。大量の消費を促すのではなく、「ゆっくり歩き、じっくり味わう」形のナイトツーリズムは、今後、他の地域にも広がっていく可能性があります。
デジタル世代が惹かれる「シェアしたくなる夜」
スマートフォン世代にとって、葛仙村のランタン祭りは「写真や動画で残したくなる」体験でもあります。柔らかな光と夜空、伝統的な建物や漢服姿の人びとが重なり合う光景は、そのままSNSでシェアしたくなるビジュアルです。
一方で、すべてを画面越しに見るのではなく、「少しカメラを置いて、ただ歩いてみる」という楽しみ方もあります。静かな夜道を歩きながら、自分のペースで灯りを眺める時間は、忙しい日常から少し離れて、頭の中をリセットするひとときにもなりそうです。
私たちはこのニュースから何を受け取るか
葛仙村の千のランタンは、地方の小さな村が持つ文化や景観が、新しい形で注目されうることを示しています。大都市の派手なイルミネーションとは違う「静かな光の魅力」が、多くの人びとの心を引きつけているのかもしれません。
2025年の今、旅行や観光のあり方は変化し続けています。次にどこへ行くかを考えるとき、「何を消費するか」だけでなく「どんな時間を過ごしたいか」という視点でニュースを読み解いてみると、世界の見え方が少し変わるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








