中国雲南省の絶滅危惧テナガザル、哀牢山で繁栄 今年も赤ちゃん誕生 video poster
毎年10月24日の「国際テナガザルの日」に合わせて、絶滅危惧のテナガザルに関する国際ニュースが世界各地から届きます。今年2025年、中国雲南省の哀牢山(あいろうさん)からは、西部ブラッククレステッド・ギボンの赤ちゃん誕生という明るい話題が伝えられました。
中国最大の生息地・雲南省哀牢山で「赤ちゃん2頭」を確認
哀牢山は、中国で最も多くの西部ブラッククレステッド・ギボンが暮らす山域です。現地の調査チームが行ったフィールドモニタリングで、今年、新たに2頭の赤ちゃんが確認されました。
この地域では、2020年時点で、哀牢山国家級自然保護区の楚雄(チューシオン)エリアにおよそ270頭の西部ブラッククレステッド・ギボンが記録されています。その後も保護とモニタリングが続き、今回の赤ちゃん誕生は、個体群が着実に受け継がれていることを示す象徴的なニュースといえます。
数年に一度しか繁殖しない「貴重な命」
西部ブラッククレステッド・ギボンは、中国で国家一級の保護対象となっている霊長類で、深刻な絶滅危惧種です。繁殖のペースはとてもゆっくりで、3〜5年に一度しか子どもを産まないとされています。
さらに、性成熟に達するのはおよそ8歳といわれ、野生で次の世代を残せる個体に育つまでには長い時間が必要です。そのため、今回確認された2頭の赤ちゃんは、一頭一頭が生息地全体の将来を左右するほど貴重な存在だといえます。
研究者による長期モニタリングと哀牢山の生物多様性
哀牢山では、研究者たちが長期にわたってギボンの行動や分布をモニタリングしています。こうした継続的な調査により、個体数の変化や生息環境の状態を丁寧に追いかけることができています。
食卓から見える「森の豊かさ」
西部ブラッククレステッド・ギボンは雑食性で、主に次のようなものを食べて暮らしています。
- ベリー類などの果実
- 若葉や柔らかい芽
- 昆虫
- 鳥の卵
- 時にはムササビなどの小型の哺乳類
季節によって利用できる食べ物が変わるため、その食性は哀牢山の森がいかに多様で豊かな生態系を持っているかを映し出す「鏡」のような役割も果たしています。
ニュースから考える、生物多様性と私たち
国際ニュースとして見ると、雲南省の山地で生まれた2頭の赤ちゃんギボンの話は、遠い世界の小さな出来事に思えるかもしれません。しかし、数年に一度しか生まれない命が守られているという事実は、地球全体の生物多様性がまだ踏みとどまっているという、ささやかな希望でもあります。
私たちができることは、こうしたニュースに目を留め、絶滅危惧種や保護区の話題を日常の会話やSNSで共有することです。それは、自然と人間社会の関係をもう一度問い直す、静かなきっかけになるかもしれません。
Reference(s):
Western black crested gibbons thrive in Yunnan's Ailao Mountains
cgtn.com








