中国・湖北と湖南をめぐる240時間 パビリオンと峰が出会う旅 video poster
中国中部の湖北省と湖南省を舞台にしたCGTNの番組『240-Hour Pass in China』のエピソード「Where Pavilions Meet Peaks」は、歴史ある建築と雄大な自然、そして多彩な文化が出会う中国ニュースとしても注目されています。
湖の南北に広がる中国中部の二つの省
湖北と湖南という名称は、それぞれ「湖の北」「湖の南」という意味で、中国第2の淡水湖とされる洞庭湖の位置関係から名付けられています。どちらの省も中国中部にあり、中国語で長江と呼ばれる揚子江の中流域に面し、中国の「母なる川」のひとつとされるこの大河とともに発展してきました。
現代の湖北省と湖南省は、豊かな歴史や文化、息をのむような自然景観、多様な地方の伝統に彩られた地域として、国内外の旅行者や国際ニュースの文脈でも紹介されています。
武漢から始まる湖北の物語
黄鶴楼から眺める長江とスカイライン
湖北省の省都・武漢では、蛇山の上にそびえる黄鶴楼が象徴的な存在です。この楼閣からは、揚子江の雄大な流れや、その上に架かる橋、そしてダイナミックに発展する都市のスカイラインを一望することができます。歴史的な景観と現代都市の風景が一つの視界に収まる光景は、中国の変化と連続性を同時に感じさせます。
湖北省博物館で出会う2400年前の音色
武漢にある湖北省博物館は、中国の古代文明を象徴する貴重な出土品を収蔵しています。なかでもよく知られているのが、越王勾践の剣として知られる剣と、曾侯乙の編鐘です。編鐘は、中国で発見された中で最大かつ保存状態が最も良い青銅製の鐘のセットとされており、その出土は1978年、湖北省随州の曾侯乙墓からでした。
これらの編鐘は約2400年前のものとされ、ユネスコの「世界の記憶」登録簿にも記録されています。現在でも演奏が可能であり、それぞれの鐘が打つ場所によって二つの異なる音を奏でるという特徴を持っています。古代の技術と音楽文化の水準の高さを、現代の来館者が体感できる点が大きな魅力です。
湖南へ――奇峰と古城をめぐる旅
張家界国家森林公園の柱状奇岩
湖北から南へ進むと、旅は湖南省へと続きます。張家界国家森林公園は、ユネスコの世界ジオパークに登録された景勝地で、天空に向かって立ち並ぶ石英砂岩の柱状の山々で知られています。ここに広がる超現実的な風景は、映画『Avatar』に登場する浮遊する「ハレルヤ・マウンテン」の着想源ともされています。
霧の中に浮かび上がるような岩峰群は、写真や映像を通じて世界中の人々を惹きつけてきましたが、番組を通して見ることで、そのスケール感や細かな地形の表情をよりリアルに感じ取ることができます。
鳳凰古城で味わう水辺の時間
湖南省の鳳凰古城は、中国でも最も保存状態が良い古い町並みの一つとされています。川沿いには木造の高床式の家々が並び、水面には建物の姿が鏡のように映し出されます。古い街並みと水辺の景色が織りなす穏やかな風景は、都市の喧騒とは異なる中国の日常を感じさせます。
この地域では、トゥチャ族やミャオ族などの人々が受け継いできた豊かな伝統文化が今も息づいており、訪れる人びとをあたたかく迎えていると紹介されています。建物や服飾、祭りや音楽など、細部にまで宿る文化の多様性は、中国ニュースでは語りきれない現地の奥行きを伝えてくれます。
番組が映し出す、パビリオンと峰が出会う中国の姿
CGTNの記者ルーシーが旅をするこのエピソードでは、湖北省の歴史的な楼閣や博物館から、湖南省の奇岩がそびえる国立公園、そして水辺の古い町並みへと、短い時間の中で多様な景観と文化がつながっていきます。
黄鶴楼のパビリオンから望む長江の眺め、2400年前の編鐘が奏でる音色、張家界の柱状の峰々、鳳凰古城の川面に映る木造家屋――それぞれの場面は、単なる観光名所の紹介にとどまらず、中国の歴史と自然、そして人びとの暮らしの関係性を考えさせます。
2025年の今、海外旅行の情報収集や国際ニュースの視聴はオンラインで完結することが当たり前になりつつあります。そのなかで、このような映像シリーズは、現地を訪れることが難しい人にも、中国中部の文化や風景に触れるきっかけを提供しています。もし自分が240時間という限られた時間で湖北省と湖南省を巡るとしたら、どこに足を運び、何を見て、誰と出会いたいのか――そんな問いを思い浮かべながら見ると、画面の向こうの中国が、少し身近に感じられるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








