中国ニュース: 海南・五指山の熱帯雨林国立公園とエコツーリズム video poster
中国・海南島の内陸部に位置する五指山(Wuzhishan)では、熱帯雨林の国立公園が、豊かな生態系と静かな時間を同時に味わえる場として注目されています。国際的な旅行先として存在感を増す海南の中で、この熱帯雨林は、経済発展と環境保全の両立を考えるうえで象徴的な場所になりつつあります。
海南の中心部に広がる五指山の熱帯雨林
五指山は、海南島の「心臓部」にあたる地域に位置し、周囲一帯には熱帯雨林が広がっています。このエリアには、古くから成長を続けてきた木々と、多様な野生生物が共生しており、中国でも生物多様性の高い地域の一つとされています。
国立公園となっている熱帯雨林の中では、深く根を張った大木や、さまざまな生き物の気配が感じられ、都市部とはまったく異なる時間の流れが体験できます。こうした環境は、ハイキングや自然観察など、ゆったりと自然に向き合うタイプの旅に向いているといえます。
静けさを味わうエコツーリズムの舞台
五指山の熱帯雨林国立公園は、観光と環境保全を両立させようとするエコツーリズムの拠点としても位置づけられています。訪れる人は、自然環境への負荷を抑えながら、森林の静けさや生態系の豊かさに触れることができます。
具体的には、次のような体験が想定されています。
- 整備された森林トレイルを歩きながら、熱帯雨林特有の湿った空気や香りを感じる
- 古い大木が立ち並ぶエリアで、森林の長い時間の蓄積を想像しながら過ごす
- 多様な野生生物の気配を探し、静かに自然を観察する
こうしたスタイルの旅は、観光地ならではのにぎやかさよりも、落ち着いた環境で自分と向き合う時間を求める人たちに響きやすいと考えられます。
経済発展と環境保全の「共存モデル」として
海南全体は近年、国際的な旅行先として注目度が高まっており、2025年現在も観光分野での成長が意識されています。その中で、五指山の熱帯雨林国立公園は、経済発展と環境保全を同時に進める取り組みを象徴する存在とみることができます。
観光がもたらす恩恵と責任
観光客が増えれば、地域の宿泊施設や交通、サービス産業に収入がもたらされる一方で、自然環境への負荷も大きくなります。五指山のケースでは、熱帯雨林という貴重な生態系の中で、どこまで観光利用を許容し、どこから保護を優先するのかという線引きが、今後も重要なテーマになっていきます。
エコツーリズムという考え方は、単に自然の中を歩く「グリーンな旅」というだけではなく、次のような問いを投げかけます。
- 観光による経済的な利益を、地域社会と自然環境の両方にどう還元していくか
- 自然保護のルールやマナーを、訪問者がどこまで共有できるか
- 長期的に見て、環境への影響を最小限に抑えるために何が必要か
ビーチだけではない海南の顔
海南というとビーチリゾートのイメージが強い人も多いかもしれませんが、五指山の熱帯雨林国立公園は、それとは異なる海南の表情を伝えています。静かな森林の中で過ごす時間は、リゾートホテルや都市観光とは違う意味での「リフレッシュ」につながります。
こうした多様な観光資源が共存することは、地域全体の魅力を高めるだけでなく、特定のエリアへの集中を避けるという点でも意義があります。自然環境への負荷を分散させながら、より持続可能な観光のかたちを模索できるからです。
熱帯雨林から見えてくる、これからの観光のかたち
五指山の熱帯雨林国立公園は、単なる「癒やしの森」ではなく、観光と環境保全を両立させるための試金石ともいえる存在です。豊かな生態系を守りながら、どのように人を受け入れていくのか。その問いは、2025年の今、世界各地の観光地が直面している課題とも重なります。
中国・海南島の中心部に広がるこの熱帯雨林は、経済発展と自然保護は本当に両立できるのか、というグローバルなテーマを具体的な風景の中で考えさせてくれます。五指山の森をめぐる議論や取り組みは、これからの国際ニュースや日本語で読む中国ニュースを追ううえでも、注目しておきたいトピックの一つといえるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








