海南省五指山で80年代にタイムトラベル 通什の夜がダンスフロアに video poster
海南・五指山で毎晩ひらく80年代へのタイムトラベル
中国・海南省五指山市の中心部、現在の通什鎮エリアでは、2025年の今も、毎晩のように1980年代の空気をまとった音楽パフォーマンスが行われています。中国ポップスの名曲から海外ディスコのヒット曲まで、鼓動するビートが南国の夜を満たし、通り全体がダンスフロアに変わります。
かつて通什と呼ばれた街 1980年代のハブ都市
現在は五指山市と呼ばれるこの街は、かつて通什という名前で知られていました。通什という地名は黎族の言葉に由来し、谷あいの畑という意味を持つとされています。1980年代当時、ここは海南黎苗族自治州の行政中心であり、海南島中南部の政治・経済・文化のハブとしてにぎわっていました。
紅旗路と解放路 レトロな街並みがそのままステージに
この没入型パフォーマンスの舞台は、現在の通什鎮エリアにある紅旗路と解放路です。通り沿いには、1980年代の面影を色濃く残す建物や構造物が今も立ち並びます。コンクリート造りの低層ビルや昔ながらの商店のつくりが、そのまま巨大な野外ステージになっているかのようです。
観光向けに作られたテーマパークではなく、当時から続く生活空間がそのままパフォーマンスの背景になることで、時間が少し巻き戻されたような感覚を覚えます。
中国ポップスとディスコのリズムが夜風に溶ける
日が暮れると、スピーカーから中国ポップスの名曲と国際的なディスコナンバーが交互に流れ始めます。テンポの良いビートに合わせて、ステージの出演者だけでなく、通りを歩いていた人たちも自然に足を止め、リズムを取り始めます。
音楽が高まり、サビに入るころには、観客と出演者の境目はほとんど見分けがつきません。誰かが輪をつくって踊り出し、それに引き寄せられるように次々と人が加わり、南国特有の湿った夜風の中に、いくつものダンスサークルが生まれていきます。
観る人と踊る人の境界が消える夜
この通什のパフォーマンスの特徴は、観る側と踊る側の距離がとても近いことです。観光客も地元の人も、年齢も関係なく、気がつけば同じ輪の中で肩を並べてステップを踏んでいます。
- 買い物帰りに通りかかった人が、そのまま一曲だけ踊ってまた歩き出す
- 子どもたちが大人の輪の真ん中で思いきり体を動かす
- スマートフォンで撮影していた人が、次の曲ではカメラをしまって踊り出す
こうした光景の積み重ねが、通什の夜を特別なものにしています。
なぜ今、1980年代が心地よく感じられるのか
急速に変化を続けてきた中国社会にとって、1980年代は多くの人にとって記憶と物語が詰まった時代です。五指山市の通什エリアでは、その頃に建てられた建物と、当時の雰囲気をまとった音楽が今も共存しています。
ここでのパフォーマンスは、単なる懐かしさの再現にとどまりません。過去と現在、地元の人と外から訪れた人が同じリズムを共有することで、世代や出身を超えて緩やかなつながりが生まれる場にもなっています。
五指山を訪れたら歩きたい 通什の夜のストリート
五指山市に滞在する機会があれば、日が暮れたころに通什の紅旗路と解放路をゆっくり歩いてみると、その土地ならではの空気をより深く感じられます。遠くから聞こえてくるビートに誘われて歩みを進めるうちに、いつのまにか80年代風のダンスサークルの輪の中に立っているかもしれません。
南国の夜風とレトロな街並み、そして中国ポップスとディスコのリズムが重なり合う通什の夜は、2025年の旅の中で静かに印象に残る時間になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








