ロシアが中国人観光客に30日ビザなし滞在 国境の街ヘイハーの今 video poster
2025年12月現在、ロシアが中国人観光客に最大30日間のビザなし入国を認めたことで、国境の街がにわかに活気づいています。中国東北部・黒竜江省のヘイハー(Heihe)にある国境港では、この新しい制度を利用しようとする旅行者の長い行列ができています。
ロシアと中国が導入した相互の30日間ビザ免除は、両国の人の移動だけでなく、国境地域の経済や日常生活にも影響を与えつつあります。
相互ビザ免除で進むロシアと中国の交流
ロシアは新たに、中国人が最長30日間ビザなしで入国できる制度を導入しました。ヘイハーの国境港は、この「ビザなしロシア体験」を目指す旅行者でにぎわっています。
一方、中国も2025年9月に、ロシア人を対象にした30日間のビザなし入国制度を、1年間の試行措置として発表しました。相互にビザを免除することで、観光やビジネスを含む人の往来を促す狙いがうかがえます。
700メートル先はロシア ヘイハーとブラゴヴェシチェンスク
ヘイハーは、黒竜江(アムール川)を挟んでロシアのブラゴヴェシチェンスクと向かい合う国境の街です。両市の距離はおよそ700メートルとされ、対岸の街並みがはっきりと見える近さです。
旅行者は、凍結した川の上を走るホバークラフトに乗り、約2分間の短い船旅でロシア側に渡ることができます。わずか数分で「別の国の街」に到着する感覚は、この地域ならではの体験といえます。
30日ビザなしで何が変わるのか
今回のロシアの新制度は、具体的には次のような特徴があります。
- 中国人旅行者は、最長30日間ロシアに滞在可能
- ビザなし政策により、事前のビザ取得なしでの入国が可能に
- 中国側でも、ロシア人向けに同様の30日ビザ免除を試行中
ビザのハードルが下がることで、観光旅行だけでなく、短期の出張や市場調査など、より柔軟な動きがしやすくなります。思い立ったときに、比較的気軽に国境を越えられる環境が整いつつあるといえます。
対岸のロシア側ビジネスに早くも追い風
対岸のブラゴヴェシチェンスクでは、ビジネスの変化がすでに表れています。地元の事業者によると、街中で歩行者が目に見えて増え、店舗への来客や新たなビジネスチャンスも広がっていると報告されています。
ホバークラフトで2分という近さは、日帰り観光や買い物にとって大きな魅力です。ビザなしで30日間滞在できることで、短期滞在と長めの滞在のどちらの需要にも対応しやすくなり、宿泊、飲食、小売など幅広い業種に波及効果が及ぶ可能性があります。
「日常の海外」が生む新しい往来のかたち
ヘイハーとブラゴヴェシチェンスクの関係は、「海外旅行」と「日常生活」の境目が曖昧になるような距離感にあります。2分間の船旅で国境を越えられる環境に、相互のビザ免除が重なることで、以下のような動きが生まれやすくなります。
- 週末や連休を利用した短期観光
- 市場視察や小規模な取引など、軽いフットワークのビジネス訪問
- リピーターによる、特定の店やエリアを目的とした越境ショッピング
こうした往来が積み重なることで、国境地域を中心に、文化や生活習慣、ビジネスのスタイルがゆるやかに交わっていく可能性があります。
インフラとルール整備への期待
往来が増えれば増えるほど、受け入れ側のインフラやルール整備の重要性も高まります。国境港での手続きの効率化、道路や公共交通の整備、観光案内や多言語対応など、現場で求められる課題は多岐にわたります。
一方で、ビザなしで入国できるとはいえ、旅行者には滞在期間や活動内容に関するルールが存在します。制度を長く安定して続けるには、旅行者側のマナーやルール順守も欠かせません。
国境の街から見る「相互ビザ免除」の意味
ロシアと中国による相互の30日間ビザ免除は、外交関係の象徴であると同時に、国境の街の風景を実際に変えつつあります。ヘイハーの国境港にできる行列や、ブラゴヴェシチェンスクで増えた人通りは、その変化を端的に映し出しています。
こうした動きが今後、他の国境地域や都市間の交流にもどのような形で広がっていくのか。国際ニュースとしての注目に加えて、「日常のすぐ向こう側にある別の国」とどう付き合うかを考える、一つのきっかけになりそうです。
Reference(s):
Russia welcomes Chinese tourists with 30-day visa-free entry
cgtn.com








