黄河の壶口瀑布に二重の虹 冬の水しぶきが生む幻想的な光景 video poster
黄河の壶口瀑布で今冬、濃い水しぶきと冬の光が重なり、鮮やかな二重の虹が現れました。氷点下の空気のなかで立ちのぼる霧が自然のプリズムとなり、峡谷の上空に二本の虹の弧がかかる幻想的な光景が広がったといいます。
黄河の壶口瀑布をまたぐ二本の虹
黄河の中流に位置する壶口瀑布は、山西省と陝西省の境界にまたがり、狭い峡谷へと流れ込む激しい水の奔流で知られています。黄茶色の水が轟音を立てて落ち込むその上空に、今回は二本の虹がはっきりと浮かび上がりました。
滝つぼから立ち上る霧が太陽光を屈折・反射し、ひとつ目の虹を形づくります。さらに光の一部は水滴の内部で二度反射し、外側にもう一つの虹をつくり出します。この日も、谷をまたぐように内側と外側の虹が並び、観る人の目を引きつけました。
気温の低下で川岸には氷のつららが連なり、きらめく氷と虹、そして濁流のコントラストが一層ドラマチックな冬景色をつくり出していたと伝えられています。
冬に虹が増える理由 「水蒸気が豊富な季節」
現地のスタッフによると、壶口瀑布では冬になると虹が現れる頻度が高まるといいます。滝から立ちのぼる水しぶきや霧が豊富なうえ、澄んだ冷たい空気のなかで日差しが差し込むと、光が散乱しやすい条件が整うためです。
とはいえ、二重の虹がこれほどはっきり見えるのは決して日常的なことではありません。スタッフは、冬場は虹そのものはよく出るものの、二本の虹が同時にかかる光景は「やはり珍しい」と話しています。
二重の虹のしくみ 外側ほど淡く、色の並びも逆に
二重の虹は、ひとつ目の虹(主虹)の外側に、もうひとつ淡い虹(副虹)が現れる現象です。水滴の中で光が二度反射することで生まれ、副虹は主虹よりも暗く、色の並びが内側と逆になるのが特徴です。
壶口瀑布のように大量の水が狭い範囲に集中し、細かな水滴が空中に長く漂う場所では、光の条件が合ったときにこうした現象が起きやすいと考えられます。今回のように、冬の澄んだ空気と滝の霧が組み合わさったことで、二本の虹の輪郭がよりくっきりと浮かび上がったとみられます。
轟音と静けさが交差する「冬の黄河」
黄河最大の滝とされる壶口瀑布は、季節ごとにその表情を変えてきましたが、冬の二重の虹は、そのなかでもひときわ印象的な瞬間といえそうです。耳をつんざくような水の轟音の上に、音のない光の橋がそっとかかる。その対比が、目の前の風景に独特の静けさを与えます。
いつ、どのタイミングで再び二重の虹が現れるかは誰にも分かりません。だからこそ、今回のように自然条件が偶然そろった瞬間をとらえた映像や写真は、「いまここでしか見られない一瞬」を教えてくれる記録として、静かな余韻を残します。
冬の黄河が見せたささやかな光の奇跡は、私たちの日常のなかにも、ふとした条件が重なったときにだけ立ち上がる景色があることを、そっと思い出させてくれます。
Reference(s):
cgtn.com








