イタリア人武術家、少林寺から螳螂拳へ:ダンテ・バジリの旅 video poster
1988年、イタリア出身のダンテ・バジリ氏は中国本土の少林寺へ渡り、武術の道を歩み始めました。さらに北京スポーツ大学での経験を経て、彼が「本当に打ち込むべきもの」として見いだしたのが、カンフーの一派・螳螂拳(とうろうけん、Praying Mantis style)だったといいます。2026年のいま振り返っても、国境を越えて“技と姿勢”を受け継ぐこの歩みは、静かに示唆的です。
1988年から続く「海を越える修練」
断片的に伝わってくるバジリ氏の経歴は、時系列にするとシンプルです。しかし、そのシンプルさが、かえって長期の積み重ねを際立たせます。
- 1988年:イタリアから中国本土へ渡り、少林寺で武術の旅を開始
- その後:北京スポーツ大学で学び、螳螂拳に「天職」を見いだす
- 現在:何十年にも及ぶ修練のなかで、世代を超えて伝わる技を磨き続ける
螳螂拳とは何か——「型」よりも「継承の精度」
螳螂拳は、カンフーのスタイルの一つです。ここで重要なのは、単に動きを覚えることにとどまらず、「受け取った技を、次の世代に手渡せるか」という精度が問われる点でしょう。
バジリ氏は、拍手や評価のためではなく、達成(mastery)そのもののために稽古を重ねていると語られています。技を“新しく見せる”よりも、受け継がれてきたものを“崩さずに深める”。その態度が、彼の歩みの中心にあるようです。
「中国武術」とは、動きを学ぶことではなく「伝統になる」こと
提供された断片には、中国武術をめぐる印象的な一文があります。「動きを学ぶだけでなく、伝統そのものになっていく」という感覚です。
見た目の派手さよりも、繰り返しの中でしか立ち上がらない身体感覚。流行よりも、師から弟子へと続く時間。その積層の上に、個人の努力が重なっていく——。バジリ氏の歩みは、武術を「コンテンツ」ではなく「継承」として捉える視点を、そっと浮かび上がらせます。
いま、この話が響く理由
情報が速く流れる時代ほど、何十年という単位で“同じ基礎”を磨く話は異質に映ります。国境を越えた移動が「経験」になりがちな一方で、バジリ氏の旅は、移動の先にある長い定着——つまり、生活としての修練へと着地している点が特徴的です。
少林寺から始まり、北京スポーツ大学を経て、螳螂拳へ。海を越えた一人の修行は、文化が残る条件について、静かに考えるきっかけをくれます。
Reference(s):
cgtn.com







