中東情勢で空の便に回復の兆し:ルフトハンザ、エティハド、エミレーツが限定再開
米国・イスラエルによるイランへの戦争の影響で中東発着の欠航が広がる中、航空各社が段階的に運航を戻し始めています。とはいえ、安全面の不確実性が残り、便数や乗り継ぎ条件は「通常どおり」とは言いにくい状況です。
欠航の波から「限定再開」へ、ただし平常運航ではない
今回の武力衝突の発生後、中東一帯では数日間にわたり欠航が相次ぎ、旅行者が空港で足止めされる事態も起きました。3月6日現在、各社は安全と運航の両立を探りながら、路線・便数を絞って運航を再開しています。
各社の対応:路線の組み替えと、期間限定の復便
ルフトハンザ:中東の欠航分をアジアなどへ再配分
ドイツのルフトハンザは、中東の一部地域で運航停止が続くことを踏まえ、ネットワークを調整しているとしています。中東でキャンセルとなった約10路線分の機材・座席供給を、需要が高まっているシンガポールやバンコクなどの長距離路線に振り替えたということです。
同社はまた、通常は中東の航空会社が担う路線に「穴」が生じている点にも触れ、今後数日でアジア方面の追加便を立ち上げる計画を示しました。
エティハド航空:3月6日〜3月19日に限定的な商業運航
アブダビ拠点のエティハド航空は、3月6日から3月19日まで、限定的な商業スケジュールを再開すると発表しました。対象はアブダビと主要都市を結ぶ便で、例として以下が挙げられています。
- カイロ
- デリー
- ロンドン
- フランクフルト
- ニューヨーク
- パリ
- モスクワ
- トロント
- チューリッヒ
エミレーツ航空:82都市へ縮小運航、乗り継ぎに条件
ドバイ拠点のエミレーツ航空は、3月6日(きょう・金曜日)に一部の国際線運航を再開しました。ただしスケジュールは縮小され、当面は82都市に減便して運航するとしています(ロンドン、シドニー、シンガポール、ニューヨークなどを含む)。
また同社は、ドバイでの乗り継ぎ客について「接続便が運航されている場合のみ受け入れる」としており、旅程全体の成立がこれまで以上に重要になっています。
なぜ欧州〜アジア太平洋の移動が特に揺れたのか
影響が大きい背景には、湾岸の航空会社が「国際乗り継ぎハブ」として機能してきた構図があります。航空データ企業Ciriumによると、エミレーツ航空、カタール航空、エティハド航空は通常、
- 欧州からアジアへ向かう旅客の約3分の1
- オーストラリア、ニュージーランド、周辺の太平洋島しょ部へ向かう旅客の半数超
を運んでいるとされます。つまり中東の運航が揺れると、欧州とアジア太平洋を結ぶ「乗り継ぎの前提」自体が崩れやすい、ということです。
安全上の懸念は継続:迂回や引き返しも
運航再開が進む一方で、安全面の懸念は残っています。報道によると、サウジアラビアの首都リヤド行きの便が地域の安全状況を理由にカイロへ目的地変更(ダイバート)した例があったほか、ミサイル発射が報告されたとして、政府が手配したエールフランスの帰国便が3月5日(木曜日)に引き返した事案も伝えられています。
旅行者がいま確認したいポイント(実務)
「飛び始めた」ことと「通常に戻った」ことは別です。現時点では、次の点がトラブル回避に直結します。
- 便名ベースで運航状況を確認(同一路線でも便により扱いが異なる場合があります)
- 乗り継ぎがある場合、接続便が運航対象かを事前に確認(受け入れ条件が付くケースがあります)
- 急な迂回・遅延を想定し、乗り継ぎ時間に余裕を持つ
中東情勢は、空のネットワーク全体に波及しやすいテーマです。復便の動きは出てきましたが、当面は「限定運航」と「安全判断」に振れやすい局面が続きそうです。
Reference(s):
Airlines resume flights as Middle East conflict disrupts air travel
cgtn.com








