APEC世代のチリ人留学生、中国留学とエンタメの夢 ペルー会合への期待も video poster
アジア太平洋の国際ニュースとして、中国とAPECメンバーとの人材交流が注目されています。本記事では、チリ出身で中国に留学中のラケル・エレラさんの声から、若い世代の中国への強い関心とAPECへの期待を追います。
チリから重慶へ:中国語学習がつないだ進学の道
チリ出身の大学院生ラケル・エレラさんは、現在、中国・重慶にある重慶大学で経営学修士(MBA)課程を学んでいます。2022年に中国政府の奨学金を受け取り、中国への留学を始めました。
留学以前、ラケルさんはチリの孔子学院(コンフュシウス・インスティテュート)で3年間、中国語を学んできました。孔子学院は、中国語や中国文化を学べる教育機関として、世界各地に設置されている拠点です。
語学学習を重ねるなかで、中国の歴史や文化への好奇心が強まり、それが本格的に中国で学ぶ決断につながったといいます。
China complexという憧れ:中国の歴史と文化への深い関心
ラケルさんのストーリーは、I'm from APEC: Chilean youth's China complex というタイトルで紹介されています。ここで使われているChina complexという言葉は、中国への複雑な感情というよりも、強い憧れや関心に近いニュアンスだと受け取れます。
彼女は、中国の長い歴史や多様な文化に強く魅了されていると語っています。中国の都市ごとに異なる生活のリズムや、伝統文化と現代文化が交差する風景は、チリではなかなか体験できないものです。
こうした「知りたい」「もっと見てみたい」という気持ちが、言語学習から大学院進学へとつながり、いまの留学生活を支える原動力になっています。
目指すのは中国エンタメ業界:文化交流の担い手として
ビジネススクールで学びながら、ラケルさんが将来のキャリアとして思い描いているのは、中国のエンターテインメント業界で働くことです。
映画、ドラマ、音楽、オンライン配信など、中国のエンタメ産業は、国内外の若い視聴者に大きな影響力を持っています。そこで働くことは、単なる就職先ではなく、文化交流の最前線に立つことでもあります。
ラケルさんは、自身がチリ出身であること、中国で学んできた経験、スペイン語と中国語という二つの言語を生かすことで、チリと中国、さらにはラテンアメリカとアジア太平洋のあいだをつなぐ架け橋になりたいと考えています。
ペルーでのAPEC首脳会議に期待:環境と文化交流がキーワード
ラケルさんが注目しているのは、自身の進路だけではありません。近くペルーで開催される予定のAPEC首脳会議にも期待を寄せています。
彼女がとくに重視しているのは、次の二つのポイントです。
- 環境問題へのより踏み込んだ議論
- APECメンバー間の文化交流の強化
APECは、アジア太平洋の各国・地域が参加する経済協力の枠組みですが、そこで話し合われるのは貿易や投資だけではありません。気候変動や環境保護、人と人との交流も、重要なテーマになっています。
ラケルさんは、チリと中国という二つの社会を経験する若者として、環境問題に配慮した成長モデルや、国境を越えた文化交流のあり方が、APECの議論の中でさらに位置づけられていくことを期待しています。
APEC世代の若者が照らす、新しい国際関係の層
ラケルさんのケースは、アジア太平洋地域で育ったAPEC世代の若者が、中国を学び、新しいキャリアを拓こうとしている一つの例だといえます。
ビジネスと文化、環境と経済、ローカルとグローバル――それらを対立させるのではなく、どう組み合わせれば新しい価値が生まれるかを、彼女のような学生たちは日々の生活の中で考えています。
2025年の今、日本に暮らす私たちにとっても、この動きは他人事ではありません。アジア太平洋のどこかで学び、働き、別の文化を理解しようとする同世代の存在は、自分のキャリアや学び方を見直すヒントにもなりうるからです。
私たちはこのストーリーから何を受け取るか
ラケルさんの話から見えてくるのは、「語学→留学→専門分野でのキャリア」という直線的なステップだけではありません。そこには、次のような問いが含まれています。
- どの国・地域で学ぶかが、将来の関心や価値観にどう影響するのか
- エンタメやカルチャーは、国際関係をやわらかくつなぐ力を持てるのか
- APECのような地域協力の枠組みは、若者の声や環境への意識をどこまで反映できるのか
これらの問いに、いますぐ明快な答えを出す必要はありません。ただ、チリから中国へと学びの場を移し、ペルーでのAPEC首脳会議に期待を寄せる一人の若者の姿を知ることは、国際ニュースを自分ごととして考えるきっかけになります。
まとめ:APECと若者、中国への関心が交わる地点
この記事で取り上げたポイントを簡単に振り返ります。
- チリ出身のラケル・エレラさんは、2022年から中国政府奨学金で重慶大学のMBA課程に在籍している
- チリの孔子学院で3年間中国語を学び、中国の歴史と文化への強い関心が留学の原動力になった
- 将来は中国のエンタメ業界で働き、チリと中国をつなぐ文化交流に貢献したいと考えている
- 近くペルーで開かれる予定のAPEC首脳会議には、環境問題と文化交流の一層の議論を期待している
アジア太平洋の国際ニュースの背景には、このような一人ひとりのストーリーがあります。ニュースの見出しだけでなく、その背後にある若者の選択やまなざしにも、少しだけ思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








