スペイン洪水で219人死亡 パイポルト住民が語る復旧の現実 video poster
2025年11月にスペインを襲った豪雨による洪水で、少なくとも219人が亡くなり、93人が行方不明とされています。経済損失は100億ユーロ超と見積もられ、被災地の復旧には長い時間がかかる見通しです。本記事では、スペインのパイポルト(バレンシア)で暮らす人々の声から、災害の「その後」を追います。
スペイン洪水の被害規模
11月7日時点のスペイン政府の暫定統計によると、豪雨に伴う洪水で少なくとも219人が死亡し、93人が行方不明になりました。経済的な損失は100億ユーロを超えると見積もられており、家屋や道路、公共インフラなど幅広い分野で被害が出ています。
被災地では、がれきの撤去やライフラインの復旧、住宅の再建など、膨大な復旧・復興作業が続いています。スペイン政府もその規模の大きさを認めており、被災地が元の姿を取り戻すまでには相当な時間がかかると見られています。
「水も電気もない」パイポルトの住民が語る日常
CGTNのストリンガーは、被害が大きかったパイポルト(バレンシア)で、複数の被災住民やボランティアに話を聞きました。そのうちの一人の住民は、嵐が襲って以来、水道と電気の供給が止まり、自宅が洪水で浸水したと語っています。
この住民によると、生活インフラが途絶えた状態は今も続いており、状況は依然として厳しいままだといいます。水も電気もない住宅では、料理や洗濯など日常の基本的な行為さえ難しくなり、家族の健康や仕事への影響も避けられません。
被災から約1か月が過ぎた現在も、住民の多くは「いつ元の生活に戻れるのか」が見通せない不安の中で暮らしています。物理的な被害だけでなく、長引く不便さや先の見えない生活が、心理的な負担となっていることがうかがえます。
泥と壊れた家具に覆われた街、足りない人手と装備
救援活動に参加している現地のボランティアは、街の様子を次のように説明しています。洪水の影響で下水処理システムが崩壊し、通りという通りが泥と壊れた家具で覆われているということです。
さらに、このボランティアによれば、救助や復旧にあたる人員も装備も不足しており、活動は思うように進んでいません。限られた重機や防護具のもとで、住民とボランティアが力を合わせて泥をかき出し、使えなくなった家具や家電を運び出す作業が続いています。
衛生面でも課題が山積しています。下水処理システムが機能しない状態は、生活用水の確保やごみ処理を難しくし、長期化すれば地域の公衆衛生にも影響を与えかねません。こうした状況のなかで、現場の救援活動は「時間との戦い」となっています。
復旧には時間、遠くから見守る私たちが考えたいこと
今回のスペインの洪水被害は、数字だけを見ると遠い国の出来事に思えるかもしれません。しかし、パイポルトの住民やボランティアの具体的な言葉からは、「水も電気もない生活」や「泥とがれきに覆われた街」という現実が立ち上がってきます。
そこから見えてくるのは、次のようなポイントです。
- ライフラインや下水処理など、暮らしを支えるインフラが一度損なわれると、復旧には時間と人手がかかること
- 人員や装備が不足した状況では、地域の自助・共助に頼らざるを得ず、ボランティアの役割が大きくなること
- 被災者の声を丁寧に伝えることが、支援や政策を考える際の出発点になること
2025年12月の今も、スペインの被災地では長い復旧の過程が続いています。日本から遠く離れた場所の出来事であっても、私たちの社会が災害にどう備え、どう支え合うかを考えるヒントが、パイポルトの人々の経験の中にあります。
Reference(s):
Stringer Dispatch: Spanish residents recall moment the flood struck
cgtn.com








