米中貿易摩擦、対立より「中間点」を トランプ復帰を前に専門家が提言 video poster
トランプ氏の米大統領復帰が見込まれる中、米中の貿易関係の行方が改めて世界の関心を集めています。米中の通商摩擦は国際ニュースの焦点の一つとなっており、日本語で情報を追う読者にとっても見過ごせないテーマです。
国際メディアのCGTNは、米ジョージ・ワシントン大学で兼任講師を務めた経歴を持つナビル・S・ミカイル氏にインタビューし、今後の米中貿易とその課題、協力の可能性について意見を聞きました。
ミカイル氏は、対立を長引かせれば米国にとって不利になるだけでなく、中国にとっても不利益をもたらすと指摘し、両国は競争を抑制しつつ、中間的な妥協点を探るべきだと強調しました。また、両国には共通の関心があり、それが二国間を結びつけ、人類全体の福祉のために協力することもできると述べています。
トランプ氏の復帰観測と米中貿易をめぐる懸念
2025年の年末に向けて、トランプ氏が再び米大統領に就く見通しが伝えられる中、米中貿易関係の先行きは不透明さを増しています。ここ数年、米中間では通商問題がたびたび緊張の火種となってきました。
こうした状況の中で、米国と中国の双方が一方的な圧力ではなく、互いに受け入れ可能な「中間点」を探るべきだとするミカイル氏のメッセージは、緊張緩和への一つの視点として注目されます。
「争いの長期化は双方の不利益」エジプト出身の研究者が警鐘
エジプトに生まれ、1986年から米国に暮らすミカイル氏は、米中の通商関係をゼロサムゲームとして扱うべきではないと見ています。対立を恒常化させれば、米国にとっても中国にとっても不利になり、結果的に両国の発展にブレーキがかかるという認識です。
そのうえでミカイル氏は、両国の競争そのものを否定するのではなく、行き過ぎた競争を抑え込むことが重要だと指摘します。通商の分野で相手を排除することを目的とするのではなく、公正なルールのもとで競い合う姿勢が求められている、という考え方です。
共通の関心が米中をつなぐか 人類の福祉という視点
インタビューの中でミカイル氏が強調したのは、米国と中国には二国間の利害を超えた共通の関心が存在する、という点です。例えば、世界的な公衆衛生や環境問題、経済の安定など、人類の福祉に直結するテーマでは両国が協力する余地が大きいと見ることができます。
ミカイル氏は、こうした共通の関心が両国を結びつけ、人類全体の利益のために協力することができると述べています。米中が歩み寄りを模索し、通商摩擦の中間点を探ることができれば、その影響は二国間にとどまらず、世界の人々の生活にも波及していく可能性があります。
私たちはこの議論をどう受け止めるか
今回の議論から浮かび上がるポイントを、あえて三つに整理すると次のようになります。
- 米中貿易の対立が長期化すれば、両国にとって不利益となり得る。
- 完全な勝者と敗者を決める発想ではなく、双方が受け入れられる中間点を探ることが重要である。
- 米中には、人類全体の福祉という共通の目標があり、それが協力の土台となり得る。
米中関係は、日々のニュースとしては遠い世界の話に感じられるかもしれません。しかし、貿易や経済の行方は、日本を含む多くの国と地域のビジネスや雇用、物価にも間接的な影響を与えます。大国同士の対立か協調かという二択ではなく、どのような中間点なら世界がより安定し、豊かになれるのかを考える視点が、これから一層求められそうです。
Reference(s):
'U.S., China should seek middle ground to settle trade disputes'
cgtn.com








