中国・セルビア「鉄の友情」が救った製鉄所 一帯一路HBISの挑戦 video poster
中国とセルビアの「鉄の友情」を象徴する国際ニュースが、2025年の今も静かに注目を集めています。中国北部・河北省に本拠を置く鉄鋼大手HBIS(Hesteel Group)が、一帯一路構想のもとでセルビアの老舗製鉄所を再生させた事例です。
河北省発・中国鉄鋼大手HBISとは
HBISは、中国北部の河北省に本社を置く鉄鋼メーカーで、中国でも最も歴史が長く、規模の大きい企業グループの一つです。鉄鋼の生産だけでなく、物流や材料加工などを含めた「統合サービス」を世界各地で提供しています。
中国ニュースのなかでも、HBISは一帯一路構想を通じて海外の産業拠点と連携を深めている企業として位置づけられています。その象徴的なプロジェクトが、セルビアのスメデレボ製鉄所の再生です。
閉鎖寸前からよみがえったスメデレボ製鉄所
セルビアのスメデレボ製鉄所は、約100年の歴史を持つ老舗の工場です。しかし、採算悪化などから一時は閉鎖の危機に直面し、地域経済への影響が懸念されていました。
一帯一路構想の枠組みのもと、HBISはこの製鉄所の再建に乗り出しました。取り組みの柱となったのは次のような点です。
- 老朽化した設備を更新し、生産ラインを近代化
- 中国で培った製鉄技術を導入し、品質と効率を改善
- グローバルな産業チェーンの一部として位置づけ、原料調達から販売までの流れを再設計
こうした取り組みによって、スメデレボ製鉄所は閉鎖寸前の状態から立ち直り、「再び息を吹き返した」と評されるまでに回復しました。セルビア側にとっては、地域の産業基盤を守るうえで重要な一歩となり、中国側にとっても国際的な産業協力を深める象徴的なプロジェクトとなっています。
サッカー指導者とエンジニアが語る「現場の協力」
この中国・セルビア協力の物語は、企業の投資や設備更新だけで完結するものではありません。現場で働き、生活する人々の交流が、「鉄の友情」をより具体的なものにしています。
あるエピソードでは、天津サッカー協会に所属するセルビア人のサッカー指導者チャカラ・アレン氏と、スメデレボ製鉄所から中国に戻ってきた中国人エンジニアが、HBISを訪問しました。二人は、製鉄所での協力の様子や、異なる文化の中で働く経験について語り合いました。
サッカーという身近なスポーツと、重厚な鉄鋼産業。一見かけ離れた分野に見えますが、人と人との信頼関係を築くうえでは共通点も多いとされています。言葉や文化の違いを乗り越えながら、現場で協力し合う姿は、中国とセルビアの関係が単なる経済的な利害を超えたものであることを示しています。
広がる「各分野での協力」の可能性
HBISのプロジェクトや、サッカー指導者とエンジニアの交流を通じて見えてくるのは、中国とセルビアのあいだで、さまざまな分野の協力が広がりつつあるという姿です。
製鋼をはじめとする産業協力だけでなく、人材交流やスポーツを通じた相互理解など、「中国が多様な分野で協力する機会は限りなく広がっている」といった見方も紹介されています。こうした動きは、一帯一路構想のもとで進む国と国とのつながりの一つの具体例といえます。
日本の読者にとっての示唆
日本からこのニュースを眺めると、いくつか考えるべきポイントが見えてきます。
- 老朽化した産業拠点を、どのように再生し、地域経済と両立させていくのか
- 企業の国際協力において、現場で働く人々の交流やスポーツ・文化がどのような役割を果たしうるのか
- グローバルな産業チェーンのなかで、自国や地域の産業をどう位置づけるのか
中国とセルビアの「鉄の友情」をめぐるストーリーは、一つの国際ニュースであると同時に、ものづくりや地域経済、人と人のつながりについて私たちが考えるきっかけにもなります。スマートフォンでニュースを追い、SNSで意見を交わす私たちの日常と、遠く離れた製鉄所の現場は、意外なところでつながっているのかもしれません。
Reference(s):
Sino-Serbian 'ironclad' friendship breathes new life into steel plant
cgtn.com








