ガザの英語教師が願う「1001の祈り」 終わらない紛争と平和への希望 video poster
パレスチナ・イスラエルの紛争が続くガザ地区では、2024年に前例のない人道危機が深刻化し、4万5,000人を超えるパレスチナ人が命を落とし、10万6,000人以上が負傷したとされています。2025年を前に、ガザの英語教師マラム・アルザーニン(Maram Al-Zaanin)さんは、紛争の終結とパレスチナ人の平和な未来を静かに祈りました。
ガザ地区を襲った前例のない人道危機
2024年のガザ地区は、国際ニュースでも繰り返し報じられるほど深刻な人道危機に直面していました。多くのパレスチナ人が犠牲となり、さらに10万6,000人以上が負傷したことで、地域社会は大きな痛手を受けました。
犠牲者と負傷者の数は、単なる数字ではありません。一人ひとりに家族や友人、日常生活があり、その全てが紛争によって壊されていきました。ガザ地区の人々は、先の見えない不安と喪失のなかで暮らさざるをえない状況に追い込まれていたのです。
英語教師マラムさんが託した「紛争が終わる日」への願い
こうした厳しい現実の中で、マラム・アルザーニンさんはガザで英語教師として過ごしてきました。日々、子どもや若者たちと向き合いながら、彼女が口にしたのは、紛争の終わりとパレスチナ人の平和な未来への希望でした。
マラムさんにとって、教室は単に言語を教える場所ではなく、生徒たちが未来を思い描くための小さな空間でもあります。爆発音や緊張に包まれた環境のなかでも、彼女は生徒たちが安全に学び、安心して将来を語れる日常が戻ってほしいと願い続けてきました。
その願いは特別なものではなく、ごく当たり前のものです。家族とともに暮らし、学校に通い、仕事をし、夜になれば安心して眠ること。その「ふつうの生活」を取り戻したいという思いが、マラムさんの祈りの核心にあります。
「1001の願い」が映し出す、数えきれない声
このニュースの見出しにある 1,001 Wishes(1001の願い)という言葉には、象徴的な響きがあります。それは、マラムさんひとりの願いだけでなく、紛争のただ中で暮らす多くの人々の思いが折り重なっていることを示しているようにも受け取れます。
ガザ地区で生きる人々が抱く願いは、一つに絞ることができません。
- 子どもたちが恐怖ではなく、学びと遊びに満ちた毎日を送れるようにという願い
- 家族や友人が無事でいてほしいという切実な祈り
- パレスチナ人としての尊厳が守られ、平和の中で暮らせる社会への希望
こうした願いが重なり合ったとき、その数はまさに千を超え、数えきれないほどになるはずです。マラムさんの祈りは、そのなかの一つでありながら、多くの人々の思いを代弁する声でもあります。
教育者としての視点 ことばがつなぐ世界
英語を教えるということは、単に外国語の文法や単語を伝えるだけではありません。世界のニュースや文化に触れ、異なる社会に暮らす人々の考え方や価値観を知るきっかけにもなります。
マラムさんのような英語教師は、ガザの子どもたちにとって、外の世界につながる窓のような存在だと考えられます。言葉を学ぶことは、自分たちの状況を世界に伝える力を身につけることでもあり、同時に、世界の人々の声を理解する手がかりにもなります。
紛争と人道危機の中であっても教育を続けることには、大きな意味があります。教室でのささやかな対話や授業は、遠い未来の平和を支える土台の一部になりうるからです。
2025年の今、ガザの「祈り」から私たちが考えたいこと
2024年のガザ地区で起きた人道危機と、マラムさんの祈りを伝えるこのエピソードは、2025年の今も国際ニュースを追う私たちに多くの問いを投げかけています。数字の大きさに圧倒される一方で、その裏側にいる一人ひとりの人生をどこまで想像できるかが問われています。
日本でニュースを読む私たちにできることは限られているかもしれません。しかし、関心を持ち続けること、情報に触れ続けることには意味があります。
- 犠牲者や負傷者の数の背後にある、一人ひとりの物語を思い描くこと
- 紛争地で教育を続けようとする人々の存在に注意を向けること
- 国際ニュースを日本語で学び、自分なりの視点や問いを持ち続けること
ガザの英語教師が願った「紛争の終わり」と「平和な未来」は、遠い地域の話であると同時に、私たちがどのような世界を望むのかという問いでもあります。1つの教室から生まれた祈りは、1001の願いとなって、2025年を生きる私たちにも静かに届いています。
Reference(s):
cgtn.com








