イタリア人考古学者が語る:中国文明とギリシャ文明の意外な共通点 video poster
イタリア出身の考古学者、キアラ・デ・グレゴリオさん(復旦大学・歴史学部のポストドクトラル研究員)が、中国の河南省を訪れ、中国文明と古代ギリシャ文明の「似ているところ」に注目しました。長い歴史を持つ二つの文明を比べる視点は、2025年の今、国際ニュースとしても文化理解としても意味のあるテーマです。
河南省は「考古学の聖地」
デ・グレゴリオさんは、河南省を「考古学の聖地」と見ています。彼女にとって河南省は、中国の王朝や文明の起源を探るうえで欠かせない重要な地域だといいます。
とくに印象に残ったのが、豊富な資料を収蔵する河南省の博物館です。彼女は、この博物館が中国文化を理解するための優れた「窓」になっていると感じ、より深く中国文明を知りたいという探究心をかき立てられたとしています。
博物館から見える中国文明の厚み
河南省の博物館には、多様な歴史資料や工芸品が収められています。デ・グレゴリオさんは、こうした展示を通じて、中国文明がいかに長い時間をかけて形づくられてきたかを実感したとみられます。
彼女が「探検したい」と感じた背景には、次のようなポイントがあると考えられます。
- 豊富な出土品から、王朝の成り立ちや社会の変化を立体的にイメージできること
- 同じ地域から、異なる時代の文化層が重なって見えてくること
- 展示を通じて、政治・経済だけでなく、日常生活や信仰の姿も読み取れること
デ・グレゴリオさんは、地理的な条件にも注目しています。河南省は、その地理的な優位性ゆえに、今後も新たな歴史の謎を明らかにしていく可能性が高いと見ています。彼女は河南省を、「中国文明のゆりかご」の一つであることを、あらためて強く感じたようです。
中国文明と古代ギリシャ文明の共通点
興味深いのは、デ・グレゴリオさんが、中国と古代ギリシャの文明の間に「似ている部分」があると指摘していることです。国も地域も離れた二つの文明ですが、彼女はとくに次の二つに注目しています。
- 陶器(セラミック)の文様や模様
- 建築の構造やデザイン
陶器の文様は、その時代の美意識や技術、社会の価値観を映し出します。中国の陶器と古代ギリシャの陶器を見比べることで、遠く離れた文明どうしが、どこで似通い、どこで違うのかが見えてきます。
建築の構造もまた、文明の考え方を反映する要素です。人々がどのように空間を使い、どのように権威や信仰を表現してきたのか。デ・グレゴリオさんは、建築の比較からも、中国と古代ギリシャの間に共通する発想や、対照的な特徴を読み取ろうとしています。
なぜ今、この比較が意味を持つのか
2025年現在、国際ニュースの現場では、対立や分断が語られることが少なくありません。その一方で、文明どうしの共通点に目を向ける試みは、異なる社会を理解し合うための静かな手がかりになります。
デ・グレゴリオさんの視点は、次のような問いを私たちに投げかけます。
- 離れた地域の文明は、本当に「まったく別物」なのか
- 共通点に目を向けることで、対話や協力の余地が広がるのではないか
- 博物館や考古学研究は、現在の国際社会を考えるうえでどんなヒントをくれるのか
中国文明と古代ギリシャ文明を並べて考えることは、「東」と「西」といった単純な区分を超え、文明をもっと立体的にとらえ直すきっかけになりえます。
読み手への小さな宿題:自分の「文明観」をアップデートする
今回紹介したのは、一人のイタリア人考古学者が、中国の河南省で受けた静かな衝撃と、そこから生まれた文明比較の視点です。
ニュースとしてのスケールは小さいかもしれませんが、私たちの日常には、こうした視点を生かせる場面が少なくありません。
- 旅行先や博物館で、展示品を「ほかの地域の文化」と頭の中で比べてみる
- SNSで見かける歴史・文化コンテンツを、「似ている点」と「違う点」の両方から眺めてみる
- 学校や職場での議論で、「自分の文化」だけでなく「相手の文化」の背景にも一歩踏み込んで考えてみる
河南省を「考古学の聖地」と呼び、中国文明と古代ギリシャ文明の共通点を語るデ・グレゴリオさんの視点は、国や地域の枠を超えて世界を見ようとする多くの読者と響き合うはずです。
国際ニュースを追いかけるときも、どこか頭の片隅で「文明どうしの対話」というキーワードを置いておくと、見えてくる景色が少し変わってくるかもしれません。
Reference(s):
Italian scholar: Chinese and Greek civilizations have similarities
cgtn.com








