中国・シーザン地震で見えたボランティアの力 現地ドライバーが語る救援の現場 video poster
2025年1月7日、中国西南部のシーザン自治区シガツェ市定日県でマグニチュード6.8の地震が発生しました。少なくとも126人が死亡し、188人がけがをしたと伝えられています。本記事では、この地震を体験し、自ら救援ボランティアとして動いたラサ在住のドライバー、ルー・ユーホンさんの証言を手がかりに、災害時に市民が果たす役割を考えます。
シーザン自治区・定日県を襲ったマグニチュード6.8の揺れ
地震は1月7日火曜日の午前9時5分ごろ、シガツェ市定日県一帯を襲いました。現地の発表によると、発生当日の夜までに少なくとも126人の死亡と188人の負傷が確認されました。震源地周辺では建物の倒壊やインフラへの影響が懸念され、広い範囲で救援活動が行われました。
シーザン自治区は標高が高く、気候や地形の厳しさから、災害発生時には救援活動が難航しやすい地域とされています。そうした中で、住民や周辺地域の人びとがボランティアとして動くことは、被災地を支える大きな力になります。
ラサのドライバー、ルー・ユーホンさんのボランティア体験
地震発生時、ルー・ユーホンさんはラサで、中国の鉄道関連企業・中国鉄路設計集団有限公司の作業班のドライバーとして働いていました。彼は今回の地震の揺れを直接体験し、その後、ボランティアとして被災地支援に向かいました。
揺れの瞬間と救援に向かう決意
ルーさんは、地震が起きた瞬間の衝撃と緊張を振り返りながら、自ら救援活動に加わることを決めたといいます。現地の状況について、彼は次のように語っています。
地震後に訪れた現場について、ルーさんは「地震現場の状況は厳しい。私たちが向かった村では幸い犠牲者はいなかった」と振り返っています。被害が比較的軽かった地域であっても、人びとは不安の中で避難生活を送り、支援物資や情報を必要としていました。
彼のように、専門の救助隊ではない市民が自発的に動くことで、行政や救援部隊だけではカバーしきれない部分を埋めることができます。車両の運転や物資の運搬、避難者の送迎など、日常の仕事で培ったスキルが、そのまま被災地での助けになります。
災害ボランティアが果たす役割
大きな地震などの災害が起きると、公的な救援チームだけでは、すべての地域や人びとに素早く手を差し伸べることは難しくなります。そこで重要になるのが、市民ボランティアの存在です。
一般に、大規模な災害時には、市民ボランティアは次のような役割を担うことが多いとされています。
- 物資の仕分けや運搬、避難所での受付や案内など、現場の細かな支援を担う
- 土地勘を生かし、道路状況や安全なルートなどの情報を共有する
- 被災者の話を丁寧に聞き取り、ニーズを行政や支援団体につなげる
- 地域の言語や習慣を理解し、外部から来た支援者との橋渡し役になる
ルーさんの行動も、こうした市民による支援の一例だといえます。特別な肩書きはなくても、現場に足を運び、できることを見つけて動くこと自体が、大きな意味を持ちます。
中国の地震対応から見えるもの
今回のシーザン自治区の地震では、多くの犠牲者が出た一方で、ルーさんが訪れた村のように、人的被害が出なかった地域もありました。こうした地域でも、不安の中で夜を過ごす人びとに寄り添う支援は欠かせません。
地震のような自然災害は、どの国や地域でも避けることが難しい現象です。その一方で、被害をどこまで小さくできるか、どれだけ早く生活再建に向かえるかは、事前の備えと、発生後の連帯や協力に大きく左右されます。
シーザン自治区での支援の様子は、地理的条件が厳しい地域でも、市民と行政、企業などが連携して動くことの重要性を改めて示していると言えるでしょう。
日本の私たちにとっての教訓
地震大国である日本に暮らす私たちにとっても、今回の地震とルーさんのボランティア体験は、他国の出来事にとどまりません。日常の中で、次のような備えを少しずつ進めておくことができます。
- 自宅や職場近くの避難場所や避難経路を家族や同僚と共有しておく
- 数日分の食料や飲料水、常備薬、簡易トイレなどの備蓄を確認する
- 身近な人と、災害時の連絡手段や集合場所について話し合っておく
- ボランティアに関心があれば、平時から講習や研修に参加し、基礎知識を身につけておく
ルー・ユーホンさんのように、災害時にすぐ現地に向かうことが難しい人でも、日々の暮らしの中でできる準備や学びはたくさんあります。遠く離れた中国・シーザン自治区での地震をきっかけに、自分と身近な人びとの安全について改めて考えることが、防災への第一歩になるはずです。
被災地の状況を伝える一人ひとりの声は、私たちにとって、数字だけでは見えない現実や、そこから学べる教訓を届けてくれます。ニュースをきっかけに、身の回りで防災について話し合ってみることも、また一つの大切な行動です。
Reference(s):
cgtn.com








