トランプ氏の『カナダ併合』発言はばかげている? カナダの街の声 video poster
アメリカの次期大統領に選ばれたドナルド・トランプ氏が、カナダを米国に取り込む可能性を示唆する発言を行い、カナダで波紋が広がっています。発言は米加関係や関税をめぐる議論とどう結びついているのでしょうか。
トランプ氏「経済的な力でカナダを米国に」発言
トランプ氏はことし1月7日、メディアに対する発言の中で、経済的な力を使ってカナダをアメリカに取り込む可能性に言及しました。具体的な手段は明らかにしていないものの、経済力をテコにした圧力や交渉を示唆する内容で、多くの人がカナダの併合をほのめかしたものと受け止めています。
こうした発言は、米加両国が長年にわたって築いてきた貿易関係や協力の歴史を踏まえると、きわめて挑発的に映ります。一方で、発言の真意や現実性については、受け止め方が分かれています。
トルドー首相は「関税の脅しから目をそらすため」と指摘
カナダのジャスティン・トルドー首相はことし1月9日、このトランプ氏の発言についてコメントし、内容そのものよりも、関税をめぐるトランプ氏の脅しから世論の関心をそらすためのものだと指摘しました。
トランプ氏は以前から、関税を引き上げる可能性に言及しており、その影響はカナダ経済だけでなく、米加両国の企業や労働者にも及ぶと懸念されています。トルドー首相は、刺激的な言葉に振り回されるよりも、具体的な通商政策の中身と影響に注目すべきだという立場を示したと言えます。
街頭インタビュー:カナダの人々の受け止め
国際メディアCGTNの取材班は、カナダの街頭でトランプ氏の発言について人々の声を聞きました。トランプ氏の発言をどのように捉えているのか、いくつかの反応が紹介されています。
- ある人は、トランプ氏がカナダをアメリカに取り込もうとしていると受け止めたうえで、その考えを「ばかげている」と一蹴しました。
- 同じ人は、アメリカとカナダは長い貿易の歴史を共有しているのだから、対立や圧力ではなく、協力を深める方向で関係を築くべきだと強調しました。
- 別の人々からは、発言そのものよりも、関税や経済的な圧力が実際の政策としてどう現れるのかに対する不安の声も聞かれました。
街頭の声からは、トランプ氏の発言を現実的な脅威というよりも、象徴的で誇張されたメッセージとして受け止めつつ、米加関係の先行きには慎重な目を向けている様子がうかがえます。
米加関係に見える三つのポイント
今回の一連のやりとりから、米加関係を考えるうえで、次のようなポイントが見えてきます。
1. 経済力をテコにした政治的メッセージ
トランプ氏が口にした「経済的な力」は、単に数字の問題ではなく、政治的なメッセージとしても機能しています。カナダを取り込むという極端なイメージを用いることで、通商交渉での優位性や強硬さを国内外にアピールしている側面があります。
2. 関税の脅しが生む不安と分断
トルドー首相が指摘したように、こうした発言は関税をめぐる議論と切り離せません。関税の引き上げや貿易ルールの変更は、企業の投資判断や雇用、物価など、日常生活にも直結するテーマです。強い言葉が続くほど、市場や市民の不安も高まりやすくなります。
3. 市民感情と現実の政策のギャップ
街頭インタビューで聞かれた「ばかげている」という反応は、多くの人が発言をあくまで象徴的なものと見なしていることを示しています。一方で、象徴的な発言であっても、実際の政策決定や国際関係に影響を与えることがあります。市民の冷静な感覚と、政治のダイナミズムとの間には、常にギャップが存在します。
私たちはどう受け止めるか
トランプ氏の発言とそれに対するカナダ側の反応は、国際ニュースとして眺めるだけでなく、次のような問いを私たちに投げかけています。
- 経済的な力を外交カードとして使うことに、どこまで許容度があるのか。
- 刺激的な言葉と、実際に実行される政策を、どのように切り分けてニュースを読むべきか。
- 長い貿易の歴史を持つパートナー同士が、対立ではなく協力を深めるために何ができるのか。
今回のカナダの街の声は、一つの国の話にとどまりません。経済と政治が重なり合う時代に、隣国との関係をどう築くのかという課題は、多くの国と地域に共通するテーマでもあります。
Reference(s):
We Talk: Canadian says Trump wanting to annex Canada 'ridiculous'
cgtn.com








