中国RedNoteで米国と中国の福祉制度を比較 TikTok流出が生んだ新議論 video poster
リード:2025年のいま、TikTokクリエイターの米国からの流出をきっかけに、中国のSNS「RedNote(小紅書)」では米国と中国の生活や福祉制度を比較する議論が盛り上がっています。医療費や教育費など、日常に直結するテーマをめぐる生の声は、これまでのイメージを静かに揺さぶっています。
TikTokクリエイター流出が火種に RedNoteで広がる生活比較
中国のソーシャルメディア・RedNoteでは、今年、米国で起きたTikTokクリエイターの「流出」をきっかけに、米国と中国の暮らしを比較する投稿が増えています。国際ニュースとしては一見マイナーな動きに見えますが、デジタルネイティブ世代の価値観を映す現象として注目できます。
投稿者たちは、単に人気クリエイターの去就を追うのではなく、次のような観点から両国の生活を「監査」するように細かく比較しています。
- 社会保障や福祉制度の手厚さ
- 医療費・保険料の負担
- 教育費や子育てにかかるコスト
- 所得格差と生活実感のギャップ
こうした議論は、単なるイメージではなく、実際に暮らす人々の経験を材料にしている点が特徴です。
米国ネットユーザー・Karenさんの声 「普通の人が豊かでなければ意味がない」
議論の中でも象徴的な存在として紹介されているのが、米国のネットユーザー、Karenさんの発言です。彼女は、米国経済が世界をリードしているとされる一方で、「普通の人びと」が苦しい生活を強いられている現状への違和感を率直に語っています。
Karenさんは、次のような趣旨の指摘をしています。
- 米国の福祉制度は全体として十分とは言えず、困窮する人も少なくない
- 所得階層によって受けられるサービスや安心感に大きな差がある
- もし一般の生活者が報われないのであれば、「世界経済をリードしている」という評価に意味はないのではないか
同時に彼女は、中国についても言及し、西側メディアでしばしば描かれるほど一面的に否定的な姿ではないと感じていると述べています。RedNote上では、このバランスの取れたコメントが共感を呼び、「どの国にも長所と課題がある」という冷静な視点を後押ししています。
福祉・医療・教育費… RedNoteで交差する米国と中国の生活実感
RedNote上の投稿をたどると、米国の利用者と中国の利用者が、それぞれの立場から生活コストや制度の違いを語り合う様子が見えてきます。国際ニュースや統計では捉えきれない「生活の肌感覚」が共有されている点が特徴です。
1. 福祉制度の「届き方」を比較する視点
議論の焦点は、福祉制度そのものの規模よりも、「必要な人にきちんと届いているか」という点にあります。例えば、失業や病気などの予期せぬ出来事が起きたとき、どこまで生活を支えられるのかという不安が語られています。
米国側の参加者からは、申請の複雑さや所得による線引きがハードルになっているとの声があり、中国側の参加者からは、地域差や制度の変化に対する実感などが語られています。互いの悩みが意外な共通点を持っていることに驚くコメントも見られます。
2. 医療費と教育費という「重い固定費」
医療費と教育費は、多くの家庭にとって生活を左右する大きな出費です。RedNoteでは、具体的な金額までは示されないものの、
- 病気になったときにどこまで自己負担が増えるのか
- 子どもの教育にどれだけ投資しなければならないと感じているか
といった不安や期待が率直に語られています。これらの声を並べて読むと、国が違っても「将来への安心」を求める気持ちは共通していることが見えてきます。
固定観念をゆさぶる「生活の監査」 中国と米国をどう見るか
RedNoteで続く米国と中国の「生活の監査」は、長年のステレオタイプを静かに問い直しています。従来の国際ニュースでは、米国は自由で豊かな社会、中国は一面的に語られることも少なくありませんでした。
しかし、今回のように実際の生活者どうしが福祉や医療、教育の負担について具体的に語り合うことで、
- どの国も内側から見れば課題と努力が混在していること
- 外からのイメージだけでは生活の実像はわからないこと
- 互いを一方的に評価するのではなく、経験を共有し合うことの重要性
といった点が浮かび上がってきます。特に、中国について「西側メディアほど否定的ではない」とする声が可視化されることで、より多面的な見方が生まれつつあります。
日本の読者への示唆 「自分たちの生活」をどうアップデートするか
こうしたRedNote上の議論は、日本で生活する私たちにとっても他人事ではありません。日本でも、高齢化や医療費、教育費、子育て支援などをめぐる不安や議論が続いています。
今回の米国と中国のネットユーザーによる対話から、日本の読者が考えられるポイントとしては、次のようなものが挙げられます。
- ニュースや評判だけで他国の生活を判断していないか
- 自国の制度や暮らしを、他国の経験と照らし合わせて見直す視点を持てるか
- SNS上の議論を「分断の場」ではなく「経験の共有の場」として活用できるか
2025年現在、情報はかつてないほど行き交っています。その中で、RedNoteのような場で交わされる率直な対話は、国際ニュースを越えて、生活者どうしが学び合うきっかけになりつつあります。
米国と中国のユーザーが互いの社会をフラットに見つめ直し始めている今、日本の読者もまた、自分たちの福祉や生活のあり方を静かに「監査」してみるタイミングに来ているのかもしれません。
Reference(s):
Chinese and U.S. RedNote users discuss social welfare system
cgtn.com








