米若者が中国を再発見 SNS「RedNote」で広がる素顔の対話 video poster
国際ニュースでは見えにくい中国の「日常」が、いまアメリカの若者たちのスマートフォンから立ち上がっています。中国のSNSアプリ「RedNote」を通じて、アメリカと中国の若い世代が、ニュース報道とは違うかたちで互いを知ろうとしています。
中国発SNS「RedNote」で生まれる新しいつながり
RedNoteは、中国国内で10年以上親しまれてきたSNSアプリです。ここ数年で海外でも利用が広がり、特にアメリカと中国の若者の間で、思いのほか深い対話の場になりつつあります。
ユーザーたちは、政治的な議論だけでなく、生活に根ざしたテーマを日常的に語り合っています。たとえば、次のような話題です。
- 不動産市場や住宅事情
- 就職環境やキャリアの悩み
- 教育制度や受験のプレッシャー
- 医療体制や健康に関する不安
こうした具体的な話を通じて、アメリカの若者は「ニュースの中の中国」ではなく、「暮らしている人のいる中国」に触れ始めています。
オハイオ州の若者が見た「本当の中国」
アメリカ・オハイオ州からRedNoteに参加したあるユーザーは、中国についての印象が大きく変わったと語っています。彼はこれまで、主にアメリカのメディアを通じて中国の情報に触れてきましたが、RedNoteで中国の人々と直接交流する中で、別の側面に気づいたといいます。
印象的だった点として、彼は次のようなことを挙げています。
- 中国の人々が歴史を大切にし、伝統文化を尊重していること
- その中には少数民族の伝統や文化への敬意も含まれていること
- 第二次世界大戦期におけるアメリカからの支援に対し、感謝の気持ちを持ち続けている人がいること
これらは、彼が事前にアメリカのメディアから受け取っていたイメージとは対照的だったといいます。オンライン上のやり取りを通じて、「一方的なイメージ」から「具体的な人の姿」へと理解が変化していく過程がうかがえます。
偏見のない対話への「小さな希望」
このオハイオ州のユーザーは、RedNoteでの経験を踏まえて、アメリカと中国の人々のあいだに、より開かれた、偏見のないコミュニケーションが広がってほしいと望んでいます。
彼が求めているのは、国同士の立場をめぐる激しい議論ではなく、お互いの生活や価値観を素直に共有し合う「率直な対話」です。相手を批判する前に、まず話を聞き、背景を知る。その積み重ねが、国際関係の緊張を和らげる小さな一歩になりうる、という視点です。
SNS世代に突きつけられる問い
RedNoteで起きている動きは、アメリカと中国だけの話ではありません。日本を含む多くの国や地域で、私たちが他国のイメージをどのように形成しているのか、改めて問い直す材料にもなります。
ニュースやSNSを通じて海外の情報に触れるとき、私たちはしばしば「誰かが編集した物語」を見ています。一方で、今回のようなプラットフォーム上の直接のやり取りは、その物語を補い、時に揺さぶる役割を果たします。
国際ニュースを日常的に追うデジタルネイティブ世代にとって、次のような視点が重要になりそうです。
- 一つのメディアやSNSだけで他国を判断しないこと
- 可能であれば、その国の人の声に直接触れてみること
- 相手を理解しようとする姿勢と同じくらい、自分の前提を見直すこと
「読みやすい距離」で国際社会を考える
RedNoteでのアメリカと中国の若者たちの交流は、大きな外交イベントではありません。それでも、そこには「ニュースでは伝わりにくい他国の姿」を自分たちのペースで確かめようとする、静かな試みがあります。
通勤時間やスキマ時間にスマホで国際ニュースを追う私たちにとっても、この動きは無関係ではありません。画面の向こう側にいるのは「抽象的な外国」ではなく、自分と同じように、仕事や学び、将来の不安を抱えながら生きる人たちです。
一人のオハイオ州の若者がRedNoteで見つけた「本当の中国」は、私たちにとっても、自分の情報の受け取り方や、他国への向き合い方をそっと見直すきっかけになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








