CGTN「Ask China」が映す中国教育への3つの問い video poster
中国の教育制度が、これからの社会に必要なイノベーション人材をどう育てているのか。海外から寄せられた素朴な疑問に、中国の国際メディアCGTNのシリーズ「Ask China」が向き合っています。本記事では、その質問の中身から、2025年の中国教育をめぐる関心のポイントを整理します。
スペイン・フランス・カザフスタンから投げかけられた質問
今回の「Ask China」では、スペイン、フランス、カザフスタン出身の人びとが、中国の教育システムについて次のような質問を投げかけました。
- 中国の教育は、将来の社会が求めるイノベーション人材をどのように育てているのか。
- 中国の学校は、生徒のメンタルヘルスや感情の成長にどのように配慮しているのか。
- 中国では、義務教育は何歳から始まるのか。
いずれも、制度の細部というより「社会はどんな人を育てたいのか」「学校は子どもの心にどう寄り添うのか」といった、どの国にも共通する根源的な問いです。
イノベーション人材への関心が示すもの
最初の質問は、「中国教育はどうやってイノベーション人材を育てるのか」というものです。イノベーション人材とは、新しい価値や技術、ビジネスを生み出す力を持つ人のことを指します。
2025年現在、世界各国でデジタル化やAIが急速に進むなか、「知識を覚えるだけ」の教育から、「自ら考え、試し、失敗から学ぶ」教育へのシフトが求められています。海外の視聴者が中国にこの質問を投げかけた背景には、次のような関心があると考えられます。
- 急速な経済成長を支えてきた中国の教育現場で、どのような学びが行われているのか知りたい。
- 理数系やテクノロジー分野で存在感を増す中国が、創造性をどう育てているのかを見てみたい。
- 自国の教育と比較し、参考にできる点を探したい。
「Ask China」は、こうした問いを入り口に、中国の教育現場や考え方を紹介しようとしています。
学力だけでなく「心」をどう支えるか
二つ目の質問は、「中国の学校は、生徒のメンタルヘルスや感情の成長にどう配慮しているのか」というものです。学力重視のイメージが語られがちなアジアの教育に対して、「心のケアはどうなっているのか」という視点が海外から示された形です。
世界的にみても、コロナ禍以降、子どもや若者のメンタルヘルスは重要な社会課題になりました。学業や将来への不安、SNSや人間関係のストレスなど、プレッシャーの要因は多様です。そうしたなかで、学校が次のような役割を果たせるかどうかが問われています。
- 相談しやすい環境づくりやスクールカウンセラーなどの支援体制。
- 感情の扱い方や他者との関わり方を学ぶ授業や活動。
- 競争だけでなく、失敗や遠回りも含めて学びとして認める文化。
視聴者が中国の学校に対してこの点を尋ねたことは、「成績だけではなく、生徒の心の健康も教育の重要なテーマになっている」ことを象徴していると言えるでしょう。
義務教育は何歳から始まるのか
三つ目の問いは、ごくシンプルに見えるものです。「中国では、義務教育は何歳から始まるのか」。
就学年齢や義務教育の年数は、国によって少しずつ違います。その違いは、子どもの発達観や社会が期待する学びの内容、家族の負担、教育財政など、さまざまな考え方の反映でもあります。
「Ask China」では、このような基本制度についての疑問にも答えつつ、中国の教育の枠組みをわかりやすく伝えようとしています。制度の起点となる年齢は、小さな数字の違いに見えても、家庭の生活リズムや子どもの日常に大きく関わるため、海外からの関心も高いポイントです。
Q&A形式で見えてくる中国像と、自分たちの問い
「Ask China」は、海外の人びとが抱く疑問をそのまま問いとして取り上げ、中国の実情や考え方を伝えるQ&A形式のシリーズです。今回のテーマは教育でしたが、そこには次のような特徴が表れています。
- 質問はあくまで「普通の生活者」の目線であり、専門家ではないからこその率直さがある。
- 教育という身近なテーマを通じて、中国社会の価値観や変化を垣間見ることができる。
- 中国について知りたいという関心の高まりと同時に、自国の教育を見直すきっかけにもなりうる。
2025年の今、日本でも「イノベーション人材の育成」や「学校でのメンタルヘルス支援」は大きなテーマになっています。中国への問いとして投げかけられた三つの質問は、そのまま日本や他の国々にとっての問いでもあります。
国境を越えて共有されるこうした関心が、各国の教育を比較しながら学び合うきっかけになるのかもしれません。ニュースや番組をきっかけに、「自分の周りの教育はどうだろう」と一度立ち止まって考えてみることが、次の対話につながっていきます。
Reference(s):
Ask China: How does Chinese education cultivate innovative talents?
cgtn.com








