国際ニュース:米国関税にEU報復 スペイン市民が語る不信と自律性 video poster
米国関税に対抗するEUの報復措置とは
欧州連合(EU)が米国との通商摩擦に対抗し、約260億ユーロ(約280億ドル)相当の米国製品に報復関税を導入する方針を打ち出しました。本記事では、この国際ニュースを日本語で分かりやすく整理し、スペインの市民がどのように受け止めているのかを紹介します。
約260億ユーロの報復関税 今年3月に発表
欧州委員会は今年3月12日、EUとして約260億ユーロ規模の米国製品に追加関税を課すと発表しました。金額にしておよそ280億ドルに相当する大きな措置です。
この決定は、米国が鉄鋼とアルミニウムに対して一律の追加関税を導入したことへの対抗措置、いわゆる報復関税です。発表当時、欧州委員会は翌月からこの報復関税を発動する方針を示していました。
マドリードで聞く「重大な誤り」
CGTNは、スペインの首都マドリードで街頭インタビューを行い、市民の率直な声を拾いました。
フアン・アジェンデさんは、米国の関税政策について次のように批判しました。
「アメリカは、自国の経済問題を解決できると信じて、この措置を取ったのだと思いますが、これは重大な過ちだと思います。」
関税は、自国の産業を守るための手段として使われる一方で、輸入品の価格上昇や企業コストの増加を招きます。また、相手国の報復措置を誘発し、結果的に互いの経済に負担がかかることも少なくありません。アジェンデさんの発言からは、こうした悪循環への強い懸念がにじみます。
「信頼回復には時間」EUの自律性を求める視点
別の市民、ニコラスさんは、EUと米国の長期的な関係に目を向けています。
「EUとアメリカが再び信頼関係を築くには、長い時間がかかるでしょう」と語り、そのうえで「EUには、より大きな自律性が必要だと思います」と話しました。
ここで語られた自律性とは、米国の政策に振り回されることなく、EUが自らの通商政策や経済戦略を主体的に決めていく力だと考えられます。関税の応酬をきっかけに、EUがどのような立ち位置を取るべきか、市民レベルでも議論が広がりつつあることがうかがえます。
通商摩擦が市民にもたらすもの
一見すると、関税や報復措置は政府や企業の問題に見えがちです。しかし、マドリードの街頭での声からは、次のような影響や懸念が浮かび上がります。
- 関税の引き上げは、輸入品の値上がりを通じて、消費者の生活コストに跳ね返る可能性がある。
- 企業にとっては、サプライチェーン(供給網)の見直しやコスト増につながり、雇用や投資判断にも影響しうる。
- 相互の報復関税が続くと、政府間だけでなく、市民レベルでも相手国への不信感が強まりやすい。
こうした点を踏まえると、通商政策は単なる数字の問題ではなく、市民生活や社会の雰囲気に直結するテーマであることが分かります。
これからのEU・米国関係をどう見るか
今回の報復関税とスペイン市民の受け止め方は、EU・米国関係の今後を考えるためのヒントにもなります。
- 短期的な産業保護と、長期的な信頼関係の維持のどちらを優先すべきか。
- 関税の応酬以外に、対話や協調を通じて摩擦を緩和する道はあるのか。
- EUはどの程度、自律した通商主体として振る舞うべきなのか。
国際ニュースを追ううえで、こうした問いを頭の片隅に置いておくと、日々の報道がより立体的に見えてきます。マドリードの街頭での声は、EU全体、そして私たちがこれからの世界経済をどう捉えるべきかを考えるきっかけを与えてくれます。
Reference(s):
Spanish locals criticize U.S. tariffs policy as a 'serious mistake'
cgtn.com








