ボアオ・アジアフォーラム2025:アジアの若者が語るグリーン開発 video poster
2025年3月25〜28日に中国南部の海南省・博鰲で開かれたボアオ・アジアフォーラム(BFA)年次会議2025は、「変化する世界のアジア:共有される未来へ」をテーマに、開発と国際協力をめぐる議論が交わされました。本記事では、この国際ニュースとあわせて紹介されたアジアの若者の声から、グリーン開発を自分ごととして考えるヒントを探ります。
ボアオ・アジアフォーラム2025がめざしたもの
ボアオ・アジアフォーラム年次会議2025は、単なる「会議」にとどまらず、次のような狙いを掲げて開かれました。
- 開発をキーワードに、各国・地域の対話を深めること
- 新しい形式での議論や交流を試みること
- スローガンだけでなく「具体的な成果」を重視すること
- 国際開発と協力を前に進める実践的な場とすること
こうした方向性の中で、環境と経済を両立させる「グリーン開発」は、アジアに共通する重要テーマの一つとして位置づけられています。
アジアの若者が見つめるグリーンな暮らし
中国の国際メディアであるCGTNは、アジア各地から若者を招き、それぞれの国・地域のグリーンなライフスタイルや環境への考え方について語り合う企画を行いました。
その中で注目されたのが、清華大学に留学しているインドネシア出身の学生、セリア・アネッタさんの発言です。彼女はインドネシアと中国の経験を行き来しながら、「日常の小さな選択」が環境に与える影響を具体的に語りました。
インドネシアの「バナナの葉」パッケージ
セリアさんがまず紹介したのは、インドネシアのエコな包装文化です。屋台や市場などでは、料理をバナナの葉や茶色い紙で包む方法が広く使われています。
このスタイルには、いくつかの特徴があります。
- プラスチック容器やビニール袋の使用を減らせる
- バナナの葉は生分解性が高く、自然に還りやすい
- 身近にある素材を活用するため、輸送や製造に伴う環境負荷が小さい
いわば、「昔からある知恵」がそのままサステナブルな(持続可能な)仕組みとして機能している例だといえます。高度な技術だけではなく、身近な素材の使い方を見直すことも、アジアらしいグリーン開発の一つの方向性です。
中国で驚いた「電動の足」――電動バイクの可能性
もう一つ、セリアさんが強く印象に残ったと語ったのが、中国で普及が進む電気自動車や電動バイクの存在です。街を走る多くの車やバイクが電動化されている光景は、インドネシアの暮らしを考え直すきっかけになったといいます。
彼女は、インドネシアも自転車やバイクが生活に欠かせない「バイク社会」だとしたうえで、もしガソリンを使うバイクから電動バイクに切り替えることができれば、空気汚染の改善や、よりクリーンな環境づくりに大きく貢献できるのではないかと期待を語りました。
ここには、次のような発想の転換があります。
- 「移動手段そのもの」ではなく、「動力の中身」を変える
- 生活スタイルを大きく崩さずに、排出ガスを減らす
- 技術の導入を、暮らしやすさの向上とセットで考える
アジアの都市が抱える渋滞や大気汚染の課題に対して、電動バイクのような選択肢がどこまで広がるかは、今後の重要なテーマになりそうです。
日本の私たちにとってのヒント
インドネシアのバナナ葉の包装や、中国で広がる電動バイクの姿は、日本に暮らす私たちにもいくつかの示唆を与えてくれます。
「大きな政策」と「日常の選択」をつなぐ
ボアオ・アジアフォーラムのような国際会議では、グリーン開発やエネルギー転換など、大きな政策レベルの議論が中心になります。一方で、セリアさんの話は、それと同時に「個人の暮らしの工夫」が重要であることを思い出させます。
例えば、次のような視点は、日本でもすぐに考え始めることができます。
- 過剰なプラスチック包装を減らす買い物のしかたを選ぶ
- 短距離の移動は、自転車や電動キックボード、公共交通を検討する
- 身の回りにある素材やサービスを、環境の観点から見直してみる
国際会議で語られる「グリーン開発」を、日常の具体的な行動につなぎ直すことで、自分の生活とアジア全体の未来が、ゆるやかにつながっていきます。
アジア発のグリーン開発は「日常」から
ボアオ・アジアフォーラム年次会議2025が掲げた「共有される未来」というテーマは、政府や企業だけでなく、アジアに暮らす一人ひとりの日常にも関わる言葉です。
インドネシアのバナナ葉の包装、中国の電動バイクという、アジアの若者が見つめた具体的な風景は、グリーン開発が決して特別なものではなく、「いつものごはん」や「いつもの移動」のなかで形づくられていくことを教えてくれます。
国際ニュースとしてのボアオ・アジアフォーラムをフォローしつつ、アジアの若い世代がどのように環境と向き合っているのか。その声に耳を傾けることが、これからのアジアと世界の未来を考える小さな一歩になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








