韓国で史上最悪の山火事被害 家を失った人びとの声 video poster
2025年3月21日から続く韓国史上最悪の山火事が、いまも多くの人びとの暮らしを揺さぶっています。本記事では、被災者の声と現地医療関係者の証言から、この国際ニュースの「人間の顔」を見ていきます。
韓国で史上最悪の山火事 被害の規模
韓国(大韓民国)では2025年3月21日以降、山火事が各地で燃え広がり、「史上最悪」とされる被害が出ています。ROK Central Disaster and Safety Countermeasures Headquarters(中央災害安全対策本部)によると、これまでに次のような被害が確認されています。
- 死亡:30人
- 負傷:45人
- 住宅被害:約3,500戸
- 国の文化財・遺産:30カ所以上が損傷
- 延焼面積:4万8,000ヘクタール超
数字だけを見ると実感しにくいかもしれませんが、これは一つ一つが家族の生活や地域の歴史につながる被害です。住む場所を失った人びとにとって、山火事は「ニュース」ではなく、現在進行形の現実となっています。
現場から伝わる被災地の光景
国際ニュースを伝えるメディアCGTNのストリンガーは、特に被害が大きいNorth Gyeongsang Provinceを訪れ、住民や救助にあたる人びとに話を聞きました。焼けた山の斜面や崩れた家屋の跡は、報道の数字が意味するものを、より生々しく伝えています。
家も思い出も失ったJo Soo-gapさん
Yeongdeok Countyの住民であるJo Soo-gapさんは、自宅と家の中のものをすべて山火事で失いました。長年暮らしてきた家だけでなく、家族の写真や思い出の品も焼け落ちたといいます。
Joさんはいま最も必要なのは住む場所だと感じながらも、自力だけでの再建は難しい現実を見つめています。そのうえで、政府が自分と家族のために住宅の再建を支えてくれることを強く望んでいます。
突然の災害で家を失った人にとって、「どこに寝るか」「明日からどう働くか」といったごく基本的なことが、すべてゼロからの出発になります。韓国の山火事被害は、住まいの安全と社会のセーフティーネットの重要性を、あらためて問いかけています。
医師が警鐘を鳴らす「見えない健康被害」
現地で医療を支えるPohang Medical Association(浦項医師会)の会長、Kim Woo-seokさんは、山火事の影響は火が消えた後も長く続くと指摘しています。
避難生活やストレスが長引くと、持病が悪化しやすくなります。さらに、突然すべてを失った経験は、心に深い傷となり、心理的トラウマや不安障害、睡眠障害などにつながるおそれがあります。
Kimさんは、目に見える外傷だけでなく、こうした慢性疾患や心のケアに、継続的な支援が必要だと訴えています。災害医療は「命を救う」段階から、「暮らしを取り戻してもらう」段階へと、時間とともに役割が変化していきます。
復興の長期戦と、私たちが学べること
今回の山火事では、30人の命が失われ、およそ3,500戸の住宅と30カ所以上の国の文化財が被害を受けました。地域社会の景色は一変し、復興は数カ月や1年では終わらない長期戦になります。
今後、現地では次のような点が大きなテーマになっていくと考えられます。
- 家を失った人びとの生活再建と、安定した住まいの確保
- 高齢者や持病のある人を含む、長期的な医療・健康支援
- 子どもを含む住民の心のケアと、コミュニティの再生
- 損傷した文化財や自然環境をどう守り、次世代につなぐか
大規模な山火事や自然災害は、韓国だけの問題ではありません。日本を含む多くの国や地域でも、同じようなリスクを抱えています。ニュースとして数字を追うだけでなく、「自分の街で同じことが起きたら」と想像してみると、必要な備えや支え合いの姿が、少し違って見えてくるかもしれません。
韓国の山火事で家を失った人びとの声は、遠くの国の出来事でありながら、私たち自身の暮らしや社会のあり方を静かに問いかけています。
Reference(s):
cgtn.com








