スペイン人アーティストが語る牡丹と中国水墨画の美 video poster
スペインのアーティスト、カルメン・ヴァレラさんが、牡丹をテーマにした自身の作品づくりと、中国のインクペインティング(水墨画)への敬意を語りました。花の美しさと異なる文化の表現が、どのように響き合うのかを考えさせられる国際カルチャーニュースです。
ニュースのポイント
- スペイン人アーティスト、カルメン・ヴァレラさんは、生涯を通じて絵画と彫刻に取り組んでいる。
- 作品の大きな部分を牡丹にささげており、幼い頃から花の優雅さに魅了されてきた。
- マドリード植物園で満開の牡丹を描く様子を収めた動画の中で、中国のインクペインティングについての見方を語っている。
- 自身のよりバロック的なスタイルと、中国の水墨画に見られる「余白」の美しさを対比させている。
- 絵画はお互いの文化を見せ合う「窓」だと考えていると話している。
スペインで咲く「インクの牡丹」
カルメン・ヴァレラさんは、長年にわたり絵画と彫刻に取り組んできたスペインのアーティストです。その中でも特に大きなテーマとなっているのが、牡丹の花です。幼い頃から花の優雅さに心を奪われてきたというヴァレラさんは、とりわけ牡丹の美しさに強く惹かれてきました。
動画では、マドリードの植物園で満開の牡丹を見つめながら、その姿をキャンバスに描き出していく様子が紹介されています。インクで描かれた牡丹は、絵の中で静かに咲き、見る人に強い印象を残します。
「儚さ」と「重さ」が同居する牡丹の魅力
ヴァレラさんは、牡丹に惹かれる理由について、「儚さ」と「さりげない繊細さ」を挙げています。彼女によれば、牡丹は咲いた瞬間から、その重い花びらが地面に向かって頭を垂れ、やがて風に吹かれて散り、黄色やオーカー(黄土色)の美しい色合いへと変化していきます。
つまり、満開の豪華さと、散りゆく一瞬の儚さが同時に存在している花として、牡丹を見ているのです。その視点が、彼女のインク作品にも反映されているといえます。
中国のインクペインティングから学ぶ「余白」の美
動画の中でヴァレラさんは、中国の人びとがインクペインティングを通じて牡丹の美しさを世界に伝えていると語ります。自身のスタイルは、装飾性の強い「バロック的」な表現に近いとしながらも、中国の水墨画に特有の「余白」の使い方を高く評価しています。
彼女は、水墨画における余白のあり方を「本当に美しい」と表現します。色や線で画面を埋め尽くすのではなく、あえて何も描かない空間を残すことで、花や風、静けさまでをも感じさせる表現に強い刺激を受けていることが伝わってきます。
絵画は文化をつなぐ「窓」
ヴァレラさんは、「絵画はお互いの文化を見せ合うための窓だ」とも話しています。スペインで牡丹を描くアーティストが、中国のインクペインティングに目を向け、その表現の核心にある「余白」や「美の捉え方」に学ぼうとしている姿は、まさに国境を越えた文化の対話といえます。
一輪の牡丹を通じて、スペインと中国、そして世界の人びとがつながっていく。そのプロセスを静かに映し出す今回の動画は、花やアートが好きな人はもちろん、異なる文化の交わりに関心のある人にとっても、考えるきっかけを与えてくれる内容です。
このニュースから考えたいこと
日常のなかでふと目にする花も、見る人のまなざしや文化的な背景によって、まったく違う物語を帯びてきます。ヴァレラさんが牡丹に見いだした「儚くも重い美しさ」と、中国の水墨画に感じる「余白の力」は、私たちが世界を見るときのヒントにもなりそうです。
スマートフォン越しに世界のニュースやカルチャーにふれている今だからこそ、一枚の絵や一輪の花から始まる静かな対話に、少し立ち止まって耳を傾けてみたくなります。
Reference(s):
cgtn.com








