2025世界牡丹会議開幕 中国と日本をつなぐ「花の王」牡丹の物語 video poster
中国山東省菏沢市で、2025世界牡丹会議と第34回菏沢国際牡丹文化観光祭が開幕しました。国の繁栄や幸福を象徴する牡丹が、中国と日本をはじめ各国をつなぐ文化の架け橋として、あらためて注目されています。
中国の「牡丹の都」菏沢で国際イベント
中国東部の山東省にある菏沢市は、中国の牡丹生産と文化の中心地として「牡丹の都」と呼ばれています。その菏沢で、2025年の世界牡丹会議と第34回菏沢国際牡丹文化観光祭が火曜日に正式に開幕しました。
牡丹は、中国で古くから国の繁栄や幸せを象徴する伝統的な花とされてきました。今回の会議と祭典では、観光や園芸だけでなく、芸術やデザイン、国際交流といった視点からも牡丹の魅力を発信する場となっています。
「花の王」牡丹は世界への文化の使者
牡丹は中国を象徴する花であると同時に、世界の園芸史のなかで東洋的な美意識を刻んできた存在でもあります。一輪の花が、大陸を越えて文化を運ぶアンバサダー(文化の使者)になっている、といった見方も広がっています。
国際的なメディア企画では、複数の国からアーティストが参加し、それぞれの文化圏で牡丹がどのように受け止められているのかを紹介しました。共通して語られたのは、牡丹が豊かさ、祝福、華やかさといったイメージと結びつき、人々の生活や祭礼、アートのなかに自然に溶け込んでいるという点です。
日本文化における牡丹──富と気品のシンボル
日本でも、牡丹は富や繁栄を意味する縁起の良いモチーフとして親しまれてきました。特に染色やテキスタイルの世界では、豪華さと華やかさを表現する柄として高い人気があります。
京友禅の染色アーティスト・木村睦さんは、衣装デザインにおける牡丹模様の魅力をこう語ります。牡丹は花の王と呼ばれ、豪華で、幸運を象徴する花であり、格の高い着物に用いられることが多いといいます。日本では、牡丹は気品や優雅さ、高い身分を思わせる象徴として扱われてきました。
振袖や訪問着、舞台衣装などに描かれる牡丹は、着る人の人生の節目や晴れの日を祝う意味合いも持ちます。そのモチーフに中国で培われた牡丹文化が重なり合うことで、日中それぞれの伝統美が布のうえで出会っているとも言えます。
一輪の花がつなぐ中国と日本のまなざし
今回の世界牡丹会議では、こうした日中それぞれの牡丹文化が改めて紹介され、共通点と違いを含めた多様性が浮かび上がりました。花そのものの姿は同じでも、そこに込められる祈りや物語は土地ごとに少しずつ異なります。
それでも、豊かさや幸せ、美しさを願う気持ちは共通しています。華やかに咲き誇る牡丹を前にするとき、中国の人びとも日本の人びとも、似たような感動を覚えているのではないでしょうか。こうした感覚の共有は、国境を越えた理解や共感の小さな足場にもなります。
日常から始まる「花」を通じた文化交流
ニュースとしての国際会議や観光祭だけでなく、私たちの身の回りにも牡丹がテーマのアイテムは増えています。着物や帯、洋服のテキスタイル、スマートフォンのケースやポストカードなど、日常のなかで牡丹柄を目にする機会は少なくありません。
こうしたモチーフに、中国や日本、それぞれの歴史や価値観が静かに織り込まれていると意識してみると、同じ模様が少し違って見えてくるかもしれません。一輪の花から国際ニュースや文化の背景をたどる視点は、グローバルな出来事を自分ごととして捉え直すきっかけにもなります。
2025年の世界牡丹会議をきっかけに、牡丹という花が今後どのようにアートや観光、国際交流の場で語られていくのか。中国と日本、そして各国の新たなコラボレーションに注目していきたいところです。
Reference(s):
Peonies bloom across nations, shared beauty between China and Japan
cgtn.com








