ベトナムで中国ドラマが大人気 若者がハマる理由とは? video poster
ベトナムで中国のテレビドラマや映画がじわじわと存在感を増しています。今週月曜日、中国共産党中央委員会総書記であり中国の国家主席でもある習近平氏の署名記事が、ベトナムの新聞「ニャンザン(Nhan Dan)」に掲載され、中国の映像作品やゲームがベトナムの若者に人気だと指摘しました。
署名記事のタイトルは英語で「Building on past achievements and making new advances in pursuit of shared goals」。ベトナムへの国賓訪問に合わせて発表されたこの文章のなかで、習氏は中国の映画、テレビ番組、ビデオゲームがベトナムの若い世代に広く受け入れられていること、そして中国語を学ぶ人が増えていることに触れています。
ダナンの街角で聞く「なぜ中国ドラマ?」
中国の国際メディアであるCGTNは、中部の都市ダナンで住民にインタビューを行い、中国の映画やテレビシリーズがなぜ人気なのかを取材しました。
インタビューに応じた住民の一人、トゥンさんは、中国の映画やドラマの多くには歴史的な要素が盛り込まれていて、そこに描かれる文化がとても魅力的だと語りました。中国の歴史や物語の世界観そのものが、視聴者を作品の中に引き込む力になっているようです。
歴史ドラマが生む「物語の深さ」
トゥンさんの言葉どおり、中国の歴史ドラマや古装劇(時代劇)は、帝政期の宮廷や官僚、庶民の暮らしを細かく描き出し、衣装や建築、礼儀作法まで画面に再現されることが多いジャンルです。こうした作品は、エンタメとして楽しみながら、隣国の歴史や価値観に触れられる「長編のカルチャーガイド」として機能している面もあります。
壮大な歴史物語や人間ドラマ、家族や友情をめぐる普遍的なテーマが重なり合うことで、ベトナムの若者にとっても感情移入しやすく、「次の話も見たい」と思わせる物語の深さが生まれていると考えられます。
「言葉を学びたくなる」エンタメの力
署名記事が指摘したように、ベトナムでは中国語を学ぶ人が増えているとされています。その背景には、経済関係の深まりに加えて、中国のドラマや映画を字幕ではなく原語で楽しみたいという動機もありそうです。
推しの俳優のせりふをそのまま理解したい、主題歌を原語で歌いたい──こうした思いが語学学習のきっかけになることは少なくありません。ベトナムと中国のあいだでも、エンタメを入り口に言語への関心が高まっていると見ることができます。
文化がつなぐベトナムと中国の距離
今回の署名記事のタイトルには、過去の蓄積の上に立って、共通の目標に向けて新たな一歩を踏み出そうというメッセージが込められています。国レベルの関係だけでなく、日常生活のなかで中国の作品に親しむベトナムの人々の姿は、その土台を支える「静かな交流」として位置づけることができそうです。
ニュースの向こう側にある「日常外交」
国際ニュースでは、首脳の往来や経済協力の枠組みが大きく報じられますが、今回のようにドラマや映画を通じた人気や言語学習の広がりといった話題は、国家関係の空気感を読み解くヒントになります。
- 中国の文化を「面白い」と感じる若者が増えること
- その延長線上で中国語を学んでみようと考える人が出てくること
- 両国を行き来する人々が日常会話を通じて相互理解を深めていくこと
こうした小さな変化の積み重ねが、長期的には国と国との関係にも影響していきます。ドラマのヒットの裏側には、そうしたソフトなつながりが育ちつつある現実も見えてきます。
私たちがこのニュースから考えたいこと
ベトナムでの中国ドラマ人気は、単なるエンタメ消費の話題にとどまらず、「隣国の文化をどう受け止めるか」という問いを私たちにも投げかけています。
- 私たちはどの国のドラマや映画から影響を受けているのか
- 作品を通じて、その国の社会や歴史をどこまで理解できているのか
- 文化への関心が、言語や国際ニュースへの興味につながる可能性
スマートフォン一つで世界各地のコンテンツにアクセスできる今だからこそ、人気作品の背景にある社会や国際関係にも、少しだけ目を向けてみる。そうした視点を持つことで、ニュースの読み方も変わっていくはずです。
Reference(s):
cgtn.com








