米中関税で揺れる米国経済 米投資アドバイザーが語る物価とインフレ懸念 video poster
トランプ政権が打ち出した対中関税を中心とする貿易政策が、米国の物価や企業経営、そして米中関係にどのような影響を与えているのか。米国の投資アドバイザー、ヴェロニカ・パレラダ・エラー氏の見方から、そのリスクと今後の焦点を整理します。
トランプ政権の関税政策、何が問題になっているのか
トランプ政権発足以降、米国は一連の関税措置を打ち出し、多くの輸入品に追加関税を課しています。目的は、米国の製造業や雇用を守ることだと説明されています。
しかし、これらの関税は米中間の緊張を高めただけでなく、他国からの報復関税も招き、国際的な貿易摩擦を一段と深刻にしています。2025年現在も、関税をめぐる米中協議は世界の国際ニュースの重要テーマとなっています。
企業と消費者に広がるコスト増
関税は海外企業ではなく、最終的には米国内の企業や消費者にコスト増として跳ね返ります。エラー氏が指摘するのも、この見えにくいコストの広がりです。
具体的には、次のような影響が出ているとされています。
- 輸入部品や原材料の価格が上昇し、製造コストが増える
- その分を販売価格に転嫁せざるを得ず、日用品から家電まで広く物価が上がる
- コスト負担に耐えられない中小企業が投資や採用を控える
- 先行き不透明感から株式市場が不安定になり、価格変動が大きくなる
- 複数の州で関税政策の違憲性などをめぐる訴訟が起き、企業も政府も法廷対応にリソースを割かざるを得ない
米投資アドバイザー・エラー氏の懸念
エラー氏は、米国の投資助言会社である My Investment Path U.S. の責任者として、個人投資家や企業と向き合ってきました。その経験から、現在の関税政策が続けば、日常生活と金融市場の双方に悪影響が広がると懸念しています。
とくに同氏が警戒しているのが、関税の全面的な実施による物価の乱高下とインフレのリスクです。関税が広範囲に適用されれば、輸入品だけでなく、その部品に依存する国産品の価格も押し上げられます。
なぜインフレが懸念されるのか
輸入品の価格が上がると、企業はコスト増を抑えるために仕入れ先を変えたり、国内生産に切り替えたりします。しかし短期的には、より安い代替先を見つけることは難しく、結果として販売価格の上昇につながりやすくなります。
物価が幅広い分野で上がると、家計の実質的な負担が増え、消費が冷え込みます。エラー氏は、このような形でのインフレは米国経済にとって望ましくなく、成長の足かせになりかねないと見ています。
米中対話と合意に期待される効果
こうしたリスクを避けるために、エラー氏は米国政府と中国の政府が対話を通じて合意に達することに期待を寄せています。対立ではなく協調の枠組みを作ることが、米中双方、そして世界経済の安定にとって不可欠だという考え方です。
米中が関税について一定の合意に達した場合、次のような効果が期待できます。
- 企業が中長期の投資計画を立てやすくなり、設備投資や雇用が安定する
- 関税負担の軽減によって、日用品や耐久消費財などの価格が抑えられる可能性がある
- 報復関税の応酬が収まり、世界のサプライチェーンが混乱しにくくなる
- 市場の不確実性が低下し、株式や為替市場のボラティリティ(価格変動の大きさ)が落ち着く
日本やアジアの投資家が見るべきポイント
米中の関税問題は、日本を含むアジアの投資家や企業にとっても無関係ではありません。輸出入の流れや為替相場、半導体やテクノロジー分野のサプライチェーンなど、多くの分野で波及効果が出るためです。
- 米中協議の進展に関する公式発表や首脳会談の行方
- どの品目や産業に関税が集中しているか(鉄鋼、自動車、テクノロジーなど)
- 関税の動きに対する株式市場や為替市場の反応
- 関税リスクを織り込みながら、企業が生産拠点や調達先をどう変えているか
エラー氏が強調するのは、短期的な勝ち負けではなく、長期的な安定と持続可能な成長を見据えた対話の必要性です。2025年の今、米中関係をめぐるニュースを追うときには、関税の数字だけでなく、その裏にある家計や企業、そして世界経済への影響にも目を向けることが求められていると言えます。
Reference(s):
U.S. economic expert hopes U.S. and China reach agreement on tariffs
cgtn.com








