インド軍がパキスタン空爆 民間人31人死亡と現地証言 video poster
インドがパキスタン国内の標的を空爆し、少なくとも31人の民間人が死亡したとされる今回の軍事攻撃。現地から届いた住民の証言は、数字だけでは伝わらない恐怖と怒りを浮かび上がらせています。
インド軍の空爆で少なくとも31人死亡
現地時間の水曜日未明、インドがパキスタン国内の複数の標的に対して軍事攻撃を行い、モスク(イスラム教の礼拝所)を含む施設が被害を受けました。この攻撃で少なくとも31人の民間人が死亡し、数十人が負傷したと伝えられています。
インド側は、この空爆がインド側カシミール地域のPahalgamで観光客を狙った致死的な攻撃への報復だと説明しています。Pahalgamでは観光客が犠牲となる襲撃が起きており、その事件が今回の軍事行動の直接のきっかけになったと位置づけられています。
これに対し、パキスタンはPahalgamでの事件への関与を否定し、今回の交戦の中でインド軍の戦闘機5機を撃墜したと発表しました。両国の説明は大きく食い違っており、情報の全体像は見えにくい状況です。
標的となったバハワルプル 現地住民が語る「恐怖の夜」
攻撃対象となった地域の一つが、パキスタン東部・パンジャブ州の都市バハワルプルです。現地を取材したCGTNのストリンガー、クッズィア・アワイス氏は、住民たちの証言を伝えています。
「テロ組織ではなく市民が狙われた」
住民の一人、カリールル・レフマンさんは、インドの説明に強い疑問を投げかけます。「インドの攻撃は、彼らが主張する『テロ組織』ではなく、市民を狙ったものだった」と語り、攻撃の矛先が一般の人々や生活の場に向けられていたと訴えました。
この言葉からは、住民の側から見た「戦場」が、軍事施設ではなく住宅地や日常の空間であることがうかがえます。誰が敵なのかさえ分からない状況で、市民が攻撃の最前線に立たされているという感覚です。
「子どもとモスクを狙う残酷さ」
別の住民、ジャーベド・アクタルさんは、攻撃の残酷さをこう表現しました。「罪のない子どもたちと神聖なモスクを狙うという、あまりに残酷な行為だった」。
モスクは地域社会にとって宗教的な拠り所であるだけでなく、日常的な交流の場でもあります。そうした場所が攻撃対象となったという認識は、住民の心に深い傷と怒りを残します。宗教施設への攻撃は、物理的な被害だけでなく、コミュニティの精神的な土台を揺るがす行為として受け止められます。
応酬する主張 高まる緊張と市民の不安
今回の空爆をめぐっては、インドが「観光客を襲った勢力への報復」と強調する一方、パキスタンは関与を全面的に否定し、さらにインド軍の戦闘機5機を撃墜したと主張しています。両国はそれぞれ自らの正当性を訴える構図です。
その一方で、確実に明らかなのは、攻撃によって少なくとも31人の民間人が命を落とし、数十人が負傷したという事実です。バハワルプルの住民たちの証言からは、国境を越えた軍事行動の代償を最初に払わされるのが、前線の兵士ではなく一般市民である現実が浮かび上がります。
- インドは、Pahalgamでの観光客襲撃への報復だと主張
- パキスタンは関与を否定し、インド戦闘機5機の撃墜を発表
- 現地住民は、攻撃の矛先が「テロ組織」ではなく市民とモスクに向けられたと訴え
ニュースの向こう側にいる人々を想像する
国同士の対立や安全保障をめぐる議論では、「報復」「抑止」「テロ対策」といった言葉が前面に出がちです。しかし、バハワルプルの住民の声に耳を傾けると、その背後には、突然の爆撃で日常と家族を奪われた人々の現実があることが見えてきます。
インドとパキスタンの緊張がさらに高まれば、軍事的な応酬が繰り返され、犠牲となる市民は増え続けるかもしれません。だからこそ、私たちが国際ニュースを読むときには、発表や数字だけでなく、現地からの証言や、そこに暮らす人々の視点にも目を向けることが重要になってきます。
今回伝えられたバハワルプルの人々の言葉は、遠く離れた私たちに対しても、「安全保障」や「対テロ戦争」という言葉の影に隠れがちな民間人の犠牲を忘れてはならないと問いかけています。
Reference(s):
Stringer Dispatch: Pakistani locals narrate horrors of Indian attack
cgtn.com







