メキシコ人留学生が語る 中国と中南米をつなぐ文化交流の力 video poster
2025年は、中国とラテンアメリカ・カリブ共同体(CELAC)の協力枠組みである「中国・CELACフォーラム」の正式発足から10周年にあたります。今年5月13日には北京で第4回閣僚会合が開かれ、中国と中南米の関係は新たな節目を迎えました。その背景で、中国法を学ぶメキシコ人留学生の視点から見た「文化交流の力」が注目されています。
中国・CELACフォーラム10年という節目
中国・CELACフォーラムは、中国とラテンアメリカおよびカリブ地域の国々が集まり、協力の方向性を話し合う対話の場として2015年に正式に始まりました。発足から10年となる2025年は、これまでの成果を振り返りつつ、次の10年を見据える重要な年です。
こうした閣僚会合では、経済やインフラだけでなく、教育や文化といった「人と人をつなぐ分野」での連携も話し合われます。モライマ・オルドニェスさんのような若い世代の留学生は、その具体的な担い手だといえます。
北京大学で中国法を学ぶメキシコ人留学生
モライマ・オルドニェスさんは、北京大学で中国法の修士課程に在籍するメキシコ出身の学生です。法制度という専門的な分野を通じて、中国とメキシコ、そして中南米と中国の関係を日々肌で感じています。
オルドニェスさんは、中国に留学する中で、中国とメキシコの両方に「壮大な文明」と「多くの共通点」があると実感するようになったといいます。歴史ある都市の風景や、家族や地域のつながりを大切にする価値観、食文化の豊かさなど、さまざまな場面で親近感を覚えると語ります。
共通点が生み出す対話の余地
メキシコと中国は地理的には遠く離れていますが、オルドニェスさんが見つけた共通点は少なくありません。例えば、
- 家族やコミュニティを重んじる価値観
- 長い歴史と多様な文化が混ざり合った社会構造
- 伝統を守りながらも、急速な都市化や経済発展が進むダイナミズム
こうした共通点は、相手への理解を深める「入口」になります。自分たちとどこか似ていると感じられるからこそ、政治や経済といった難しいテーマも、対話を通じて受け止めやすくなる面があります。
文化交流が「ウィンウィンの発展」を後押し
オルドニェスさんは、現在すでに存在する中国とメキシコ、中国とラテンアメリカの協力枠組みのもとで、「文化」という分野の協力がさらに強化されることを期待しています。経済協力やインフラ投資だけでなく、文化交流が両地域の「ウィンウィンの発展」と、人と人とのつながりの深化に新たな原動力を与えられると見ているからです。
文化交流といっても、その中身はさまざまです。例えば、次のような取り組みも考えられます。
- 大学間の交換留学や共同研究
- 映画、音楽、アニメーションなどの共同制作やフェスティバル
- 中国語・スペイン語教育の拡充やオンライン講座
- 若者どうしのスタートアップやクリエイティブ産業での協力
こうした取り組みを通じて、お互いの社会や価値観への理解が深まれば、ビジネスや技術協力も進みやすくなります。文化は目に見えない「インフラ」として、長期的な関係を支える役割を果たします。
日本から見る中国・中南米関係
日本にいる私たちにとって、中国とラテンアメリカの関係は、つい距離のあるニュースに感じられがちです。しかし、オルドニェスさんのように、遠い地域どうしを「文化」でつなげようとする若い世代の動きは、アジアと中南米の関係を考えるうえでも示唆に富んでいます。
グローバルなキャリアを志す日本の学生や社会人にとっても、
- 中国語やスペイン語を学ぶ
- 中国やラテンアメリカへの留学・インターンシップに挑戦する
- 多文化をテーマにしたプロジェクトに関わる
といった選択肢は、これからますます現実的になっていくかもしれません。2025年という節目の年に、中国とラテンアメリカのあいだで進む文化交流を知ることは、日本と世界の関係を改めて考えるきっかけにもなります。
経済や安全保障に注目が集まりがちな国際ニュースの中で、一人のメキシコ人留学生の経験は、「人と人が出会い、学び合うこと」こそが長期的な信頼を育てる土台であることを静かに教えてくれます。
Reference(s):
Mexican student: Cultural exchange enhances China-Latin America ties
cgtn.com








