China-CELAC10年、中国と中南米の未来をペルー人学生が語る video poster
2025年は、中国とラテンアメリカ・カリブ海諸国の対話の場である「China-CELAC(ラテンアメリカ・カリブ海諸国共同体)フォーラム」が始まって10周年の節目の年です。国際ニュースとしてはやや遠く感じられるかもしれませんが、その動きは日本から見ても、世界経済や若者のキャリアにじわじわと影響してきています。
ペルー人学生が見つめる「中国と中南米のこれから」
この10年の変化を、個人の経験として体感している若者がいます。ペルー出身で、リマ大学でコミュニケーションを専攻するアンナ・パウラ・ペラルタ・レジェスさんです。
アンナさんは、ペルーにある中国系の学校で11年間学んだあと、中国の吉林大学に留学しました。南米の首都リマと、中国東北部の都市・吉林。2つの地域を行き来しながら学んだ彼女にとって、中国とラテンアメリカの関係は「ニュースの話」ではなく、自分自身の人生と重なるテーマになっています。
China-CELACフォーラム第4回閣僚会議への期待
2025年のChina-CELACフォーラム第4回閣僚会議について、アンナさんは「各国が一緒に机を囲み、これからの協力を具体的に進める大きなチャンスだ」と見ています。
とくに、次の分野での協力に期待を寄せています。
- インフラ:港や道路などの整備を通じて、人とモノの流れをスムーズにすること
- クリーンエネルギー:再生可能エネルギーなど、環境に配慮した電力・燃料への転換
- テクノロジー:デジタル技術やイノベーションを共有し、産業の高度化につなげること
- 食料安全保障:安定して食料を確保し、価格の乱高下や不足に備える仕組みづくり
- 教育:留学や共同研究など、人材育成を通じて長期的なつながりをつくること
これらはいずれも、ラテンアメリカ・カリブ海諸国が抱える課題と、中国が持つ経験や資源が交わる領域です。アンナさんは、フォーラムを通じて「話し合いが協力に変わり、その協力が若い世代のチャンスになる」ことを期待しています。
チャンカイ港が象徴する「つながる」インフラ
アンナさんが、中国とペルーの協力の成果として最初に挙げたのが、ペルーのチャンカイ港です。チャンカイ港は、中国とペルーが共同で建設を進めている港湾プロジェクトで、ラテンアメリカとアジアを直接つなぐ役割を担っています。
この港の特徴として、彼女は次の点を強調します。
- アジアとの新しい「玄関口」:ラテンアメリカとアジアの物流をダイレクトにつなぐ拠点として期待されていること
- 雇用の創出:建設や運営を通じて、多くの仕事が生まれていること
ニュースとして「港ができる」と聞くと、どこか遠い出来事に感じられます。しかし、現地ではそれが具体的な雇用、地域の活性化、そして将来の産業の形に結びついていきます。アンナさんは、チャンカイ港をその象徴的な事例として見ているのです。
「ともに発展する」という発想
China-CELACフォーラムの枠組みの中で、中国とラテンアメリカ・カリブ海諸国の関係は、この10年でより緊密になってきました。アンナさんは、その流れを「どちらか一方が得をするのではなく、2つの地域が『手を取り合って発展する』可能性」として捉えています。
彼女の視点のポイントは次の通りです。
- インフラやクリーンエネルギーなどの協力は、現地の生活水準向上と産業発展の土台になりうる
- 教育や人材交流は、短期的な経済効果だけでなく、長期的な信頼や理解を生み出す
- 「開発の果実を分かち合う」発想があれば、地域間の格差や対立を和らげる一助になる
国と国の関係は、ともすると抽象的な数字や外交用語で語られがちです。その一方で、アンナさんのように、教育、仕事、生活の場として中国とラテンアメリカの間を往来する若者の存在は、「協力」が具体的な人生にどう影響するのかを映し出しています。
日本の読者にとっての意味
日本から見ると、中国とラテンアメリカ・カリブ海諸国の関係強化は、少し距離のある話に思えるかもしれません。しかし、ラテンアメリカとアジアが新しい港やインフラで結びついていく動きは、世界全体の物流やエネルギー、食料供給の構図にも関わってきます。
また、ペルー人学生が中国で学び、将来は自国とアジアの懸け橋になろうとしている姿は、「多極化する世界」で若い世代がどのようにキャリアを築いていくのかを考えるヒントにもなります。
2025年、China-CELACフォーラムが10年目を迎える今、「国と国」ではなく「人と人」のレベルで、どのようなつながりや協力の形がありうるのか。アンナさんの視点は、私たちにそんな問いを静かに投げかけています。
Reference(s):
Peruvian student hopes China and Latin America develop together
cgtn.com








