アメリカ人学生が見た中国の素顔 関税より強い人と人のつながり video poster
アメリカ人学生が中国で見つけた「好きになる理由」
アメリカの大学生だったカイル・サイクスさんは、南カリフォルニア大学のフィールドトリップで中国を訪れ、中国という国そのものを「好きになった」と振り返ります。2025年の今も、その体験は鮮明に心に残っているといいます。
中国の国際放送局であるCGTNのインタビューでサイクスさんは、北京、上海、深圳という三つの都市を巡った旅を通じて、政治やニュースのイメージとは違う中国の姿を知ったと語りました。
北京・上海・深圳 三つの都市が見せた違う顔
歴史が息づく北京
サイクスさんがまず驚いたのは、北京の歴史の厚さでした。故宮や万里の長城などの名所から、長い時間の積み重ねを間近に感じたといいます。一方で、現代的な都市空間の中に古い街並みや文化が息づいている様子にも、強い印象を受けました。
グローバルな空気をまとう上海
上海については「より現代的でグローバルな雰囲気の都市」と感じたというサイクスさん。国際色のある街並みや、人びとの多様なライフスタイルに触れ、中国の中にもさまざまな表情があることを実感したといいます。
エネルギーあふれるテック拠点・深圳
中でもサイクスさんを最も驚かせたのが深圳でした。急速に成長するテクノロジー拠点としての姿は、エネルギーとイノベーションに満ちていたといいます。街の雰囲気そのものが、未来志向で、挑戦を歓迎しているように感じられたと語りました。
食、高速鉄道、キャッシュレス 日常にある驚き
旅の中で特に印象に残ったのは、中国の食文化、高速鉄道、そして広く普及したキャッシュレス決済でした。
多彩な料理に触れたサイクスさんは、中国の食の豊かさに魅了されたといいます。また、高速鉄道を利用した移動では、そのスピードと快適さを通じて、広い国土がぐっと身近になる感覚を味わいました。
さらに、スマートフォンによるキャッシュレス決済が日常生活の中で当たり前のように使われている様子も印象的だったと話しています。支払いの多くが現金を使わずに完結する光景から、技術と生活が自然に結びついていると感じたのでしょう。
「人のあたたかさ」が残したいちばん強い記憶
それでも、サイクスさんが何より強く覚えているのは、人びとのあたたかさです。訪れたどの都市でも、日常を生きる人びとの間に「本物のあたたかさ」を感じたと話しています。
多くの年月が過ぎた今も、中国で出会った人たちの親しみやすさや好奇心に満ちたまなざしをはっきりと思い出すといいます。その経験は、国籍や言語の違いを超えて、人と人とのつながりが持つ力を実感させるものだったと語りました。
関税は「経済」だけでなく「感情」にも影響
インタビューでは、米国が中国に対して課している関税についての考えも語られました。サイクスさんは、米国の関税は明らかに政治的な動きであり、追加の関税には現実の影響があると指摘します。
その影響は経済的な側面だけにとどまりません。サイクスさんは「経済だけでなく、感情にも影響がある」と述べ、政策の決定が人びとの気持ちや相互理解にまで波紋を広げていることを示唆しました。ニュースの中では数字やグラフで語られる関税問題も、現地で出会った友人や家族を思い浮かべる人にとっては、より個人的な意味を持ちうるのだという視点です。
私たちへの問い ニュースの向こう側にいる「人」を想像する
サイクスさんの体験は、国際ニュースを日々追う私たちに、静かな問いを投げかけています。画面越しに見るのは「国」や「政策」ですが、その向こう側には、日常を生きる一人ひとりの生活や感情があります。
海外との関係がしばしば政治や安全保障、経済の話題で語られる中で、実際に現地を訪れ、人と直接言葉を交わすことは、見えにくい相手国の姿を知るための大きな手がかりになります。
サイクスさんのストーリーから読み取れるポイントを、あらためて整理してみます。
- 旅行やフィールドトリップを通じて、統計やイメージでは見えない中国の姿に触れられる。
- 観光地だけでなく、食事や移動、支払いなど、日常の場面にこそ発見がある。
- 関税のような政策は、経済指標だけでなく、人と人との信頼や感情にも影響を与えうる。
ニュースで米中関係の動きに触れるとき、そこに暮らす人びとの表情や、誰かがどこかの国を初めて訪れたときの高揚感を想像してみること。それが、遠い国の出来事を自分事として考える第一歩になるのかもしれません。
Reference(s):
Trip to China shows U.S. youth the power of human connections
cgtn.com








