ペルーの若者が見つめる中国との未来 ビザ免除で広がる交流 video poster
中国がペルー向けのビザ免除政策を発表し、中国・ペルー間の教育・文化・経済交流の加速が期待されています。中国と太平洋島嶼国の外相会合が開かれるなか、南米の若い世代も中国とのつながりに希望を託しています。
厦門で開かれた中国と太平洋島嶼国の外相会合
2025年5月28日と29日、中国福建省厦門市で第三回「中国・太平洋島嶼国外相会合」が開催されました。中国の外交部長であり、中国共産党中央政治局委員でもある王毅氏が議長を務め、招待を受けた中国と外交関係を有する11の太平洋島嶼国の外相や代表が参加しました。
この会合は、太平洋地域での協力や連携を話し合う場であり、インフラ、気候変動、人的交流など幅広い分野で中国と島嶼国の関係を深めることが狙いとされています。アジア太平洋での協力が進む一方で、中国は南米を含む他の地域とのつながりも強めています。
11年間中国語を学ぶペルーの大学生・アナさん
そうした中国の動きを、遠く南米から注目している若者がいます。ペルー出身の学生、アナ・パウラ・ペラルタ・レジェスさんです。アナさんは、すでに11年間中国語を学んでおり、中国の吉林大学への留学経験もあります。
上海と長春で感じた「風景」と「歴史」
留学中、アナさんは上海と長春を訪れました。近代的な都市景観が広がる上海、そして東北地方の歴史と文化の色合いが濃い長春。そのどちらもが印象に残り、美しい景観や豊かな歴史に触れたことで、中国文化そのものに「恋に落ちた」と感じるようになったといいます。
こうした体験は、教室で学ぶ中国語の知識を「生きたことば」として実感させるものでもありました。日常の会話、街の看板、人との交流を通じて、言語と文化が深く結びついていることを肌で感じたのだと考えられます。
ペルー人向けビザ免除がもたらす3つの変化
中国がペルー人に対するビザ免除政策を発表したことについて、アナさんは「大きなチャンス」だと語ります。彼女は、この措置が中国とペルーの教育、文化、経済の交流を強め、両国にもたらすのは単なる往来の増加ではなく「進歩と発展」だと見ています。
ビザ免除によって期待される変化は、例えば次のようなものです。
- 教育面:留学や短期研修、交換プログラムへの参加がしやすくなる
- 文化・観光面:相互訪問が増え、互いの文化や生活への理解が深まる
- 経済面:企業や起業家の往来が活発になり、新たなビジネス機会が生まれる
1. 教育・留学のハードルが下がる
アナさん自身、中国で学び、中国語を磨いた経験を持ちます。そのうえで、ビザ免除がペルーの学生にとって「中国を身近にする入り口」になると考えています。ビザ申請の準備や手数料の負担は、留学や短期渡航をあきらめる理由になりがちです。
ビザ免除によって、次のような動きが想定されます。
- 中国の大学や語学学校への留学を検討するペルーの若者が増える
- 短期のサマーコースや研修プログラムに参加しやすくなる
- 大学同士の交換留学や共同プロジェクトが進みやすくなる
中国語を学ぶ学生にとって、「行ってみたい」と思ったときに実際に渡航しやすい環境は、学び続けるモチベーションにもつながります。
2. 文化・観光でお互いを知る
アナさんが上海や長春で感じたような「風景」と「歴史」は、実際に足を運んでこそ分かるものです。ビザ免除が観光にも広がれば、ペルーの人々が中国各地を訪れ、日常の暮らしや地域ごとの文化に触れる機会が増えます。
逆に、中国側でもペルーに関心を持つ人が増えれば、マチュピチュやアンデスの自然だけでなく、音楽、料理、都市文化など、より立体的なイメージでペルーを捉えるきっかけになるでしょう。観光や文化イベントを通じた交流は、政治や経済のニュースだけでは見えにくい「人と人とのつながり」をつくります。
3. 経済協力とキャリアの可能性
アナさんは、中国とペルーのつながりが強まることで「両国に進歩と発展をもたらす」と見ています。ビザ免除は、企業関係者や起業家にとってもメリットがあります。往来が増えれば、貿易や投資だけでなく、スタートアップやデジタル分野での協力の芽も生まれるかもしれません。
とりわけ若い世代にとっては、次のようなキャリアの可能性が広がります。
- 中国語とスペイン語を生かした通訳・翻訳、ビジネス支援の仕事
- ペルー企業の対中ビジネスや、中国企業のペルー進出を支える役割
- 観光、教育、文化事業など、両国をつなぐ分野での起業やプロジェクト
語学や海外経験を持つ若者が、二国間の協力を具体的なかたちに変えていく存在になることが期待されます。
中国とペルー、そして太平洋を結ぶ若い世代の役割
福建省厦門で開かれた中国と太平洋島嶼国の外相会合は、中国が太平洋地域との協力を重視していることを示す場でした。一方で、ペルーのような南米の国々とも、ビザ免除や教育交流を通じて人と人とのつながりが広がりつつあります。
アナさんのように、中国語を学び、中国各地を訪れた経験を持つ若者は、国と国を結ぶ「生きた架け橋」になり得ます。外交の場で交わされる合意や政策は、最終的には人々の日常やキャリアの選択として具体化していきます。
遠く離れた中国とペルーですが、ビザ免除や教育・文化交流をきっかけに、「遠いけれど、思ったより近い存在」へと変わっていくのかもしれません。読者の皆さんも、自分の専門や関心の分野で、どのように国際的なつながりを生かせるか、一度考えてみるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








