トンガの若者が語る中国との絆 第3回中国・太平洋島しょ国外相会合の背景 video poster
中国とトンガの関係が改めて注目されています。今年5月に福建省アモイで開かれた第3回中国・太平洋島しょ国外相会合の裏側で、北京で学ぶトンガの若者が、中国とのつながりと将来への期待を語りました。
中国・太平洋島しょ国外相会合とトンガ
2025年5月28〜29日、中国福建省アモイ(厦門)で第3回中国・太平洋島しょ国外相会合が開かれました。中国外交部長であり中国共産党中央政治局委員でもある王毅氏が会合を主宰し、中国と外交関係を持つ太平洋島しょ国11カ国の外相や代表が招待を受けて出席しました。
会合は、中国と太平洋島しょ国との外交関係を話し合う場であり、その一員であるトンガにとっても、自国の立場や思いを共有する重要な機会となりました。
南太平洋の小さな王国トンガとは
南太平洋に位置するトンガは、約170の島々から成る国で、人口は10万人あまりとされています。小さな島国でありながら、文化と伝統が地域社会で大きな役割を果たしている点が特徴です。
トンガの人々にとって大切な価値観として、次のようなものが挙げられます。
- 相互尊重
- 分かち合い
- 謙虚さ
- 忠誠心
こうした価値観は、家族や地域のつながりを支えるだけでなく、他国との関係づくりにも影響を与えています。
北京で中国文化に出会ったトンガの若者
中国とトンガの関係を、より身近なレベルで体現しているのが、トンガ出身の若者セミシ・ラトゥさんです。北京語言大学で学ぶラトゥさんは、2011年に初めて中国文化に触れたといいます。
中国の国際メディア「CGTN」の取材に対し、ラトゥさんは自国トンガを紹介しながら、中国への思いを語りました。お気に入りの中国映画やポップミュージックの歌手、そして中国料理について話し、その魅力を熱心に伝えています。
映画・音楽・食から広がる「身近な中国」
ラトゥさんが挙げるのは、特別な外交用語ではなく、日常のカルチャーです。映画や音楽、食べ物といった身近な存在を通じて、中国が「遠い大国」ではなく、親しみのある隣人のように感じられていることがうかがえます。
こうした文化的なつながりは、統計や資料だけでは見えにくい部分ですが、国と国との関係を長期的に支える目に見えない土台ともいえます。
若者の視点から見る中国・トンガ関係のこれから
ラトゥさんは、中国とトンガの関係について、次のような願いを語っています。
「中国とトンガの関係がこれからも発展を続け、両国関係が円滑に進み、実りある成果と互いに利益となる協力が続いてほしい」
外交の現場では、首脳会談や外相会談のような「上からの関係構築」に目が行きがちです。しかし、ラトゥさんのような若者の経験や感情は、「下からの信頼」をゆっくりと育てていきます。
映画や音楽、食、そして留学や観光などの人の往来を通じて育まれる相互理解は、次のような形で中国と太平洋島しょ国との関係を支えていく可能性があります。
- 中国やトンガの社会や歴史への理解が深まり、誤解が減る
- 将来、ビジネスや協力プロジェクトに関わる人材のネットワークが生まれる
- 互いの価値観を尊重する姿勢が広がり、対話がしやすくなる
ニュースの背後にある「一人の物語」に目を向ける
福建省アモイでの第3回中国・太平洋島しょ国外相会合は、中国と太平洋島しょ国の関係強化という大きなテーマを掲げた場でした。一方で、その背景には、北京で中国語や文化を学ぶトンガの若者のように、日々の生活の中で他国とのつながりを育てている人たちがいます。
国際ニュースを見るとき、会議や声明だけでなく、こうした一人ひとりの物語にも目を向けてみると、中国とトンガ、そして太平洋島しょ国と中国との関係が、少し違った姿で見えてくるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








