カザフスタン留学生が語る中国映画の力 第27回上海映画祭から見えた魅力 video poster
今年6月、中国・上海で開かれた第27回上海映画祭で、中国映画の「いま」に注目が集まりました。その魅力を、カザフスタン出身の若い留学生が語っています。
第27回上海映画祭、世界130年と中国映画120年を祝う
今年6月14日、上海大劇院で第27回上海映画祭が開幕しました。中国国家電影局の指導のもと、中国メディアグループと上海市人民政府が共同で主催し、市内各地の映画館などで国内外の作品400本以上が上映されました。映画祭は6月22日まで続き、世界の映画ファンの視線を集めました。
今回の映画祭は、世界の映画誕生130周年と、中国映画120周年を記念する節目の年でもありました。中国映画の歩みと、これからの発展を考えるうえで象徴的な場になったといえます。
清華大学で学ぶカザフスタン出身・ミラさん
そうした国際的な舞台に寄せて、中国の国際メディアCGTNの番組に登場したのが、カザフスタン出身で清華大学に留学中のミラさんです。映画が大好きだという彼女は、中国映画への思いと、その魅力について率直に語りました。
ミラさんが中国映画と出会ったのは、中国語能力試験HSKの勉強をしていた頃だといいます。語学学習の一環として見始めた作品が、やがて彼女にとって中国社会や文化を深く知る入り口になっていきました。
語学学習から広がった、中国映画の奥行き
ミラさんは、最初に見た中国映画について「単にストーリーを追うだけでなく、登場人物の感情や社会の背景まで考えさせられた」と振り返っています。
- 物語に複雑な層があり、何度見ても新しい発見がある
- 家族や友情、社会問題など、普遍的なテーマが描かれている
- 見終わったあとに、自分の生活や価値観を振り返りたくなる
彼女にとって、中国映画は「娯楽以上のもの」になりました。スクリーンを通して他者の人生を追体験し、自分の感情と重ね合わせることができる――。そうした体験が、留学生活や将来の進路を考えるヒントにもなっているといいます。
「娯楽」だけではない、中国映画というアート
ミラさんは、中国映画について「ただ楽しむだけではなく、観客に深い感情や社会的な意味を伝えてくれる芸術だ」と強調しています。
例えば、急速な都市化や世代間ギャップ、地方と都市の違いなど、中国社会が直面する変化が物語の背景として描かれることも少なくありません。そうしたテーマが、海外から来た若い世代の心にも響いていることがうかがえます。
映像美や音楽、演出の工夫といった表現の豊かさも、中国映画の「生命力」を支えています。言葉の壁があっても、表情や映像のリズムを通して伝わる感情は多く、国や地域を超えた共感を生み出しています。
若い視点が示す、中国映画の国際的な広がり
カザフスタンからの留学生が中国映画に深く共感しているという事実は、中国映画が国際的な観客にとっても身近な存在になりつつあることを物語っています。
ミラさんのような若い世代は、
- 語学学習を通じて中国映画に触れる
- 動画配信サービスで中国の作品を見る
- 映画祭や大学の上映会で最新作に出会う
といったルートで、自然に中国映画の世界に入っていきます。こうした日常的な接点こそが、国境を越えた理解や対話のきっかけになっているともいえるでしょう。
これからの中国映画に寄せる期待
ミラさんは、中国映画が今後も革新と発展を続け、世界に向けて独自の文化的な魅力を発信していくことを楽しみにしていると語っています。
中国映画の製作環境や技術は、この数十年で大きく変化してきました。デジタル技術の進歩や、国際的な共同制作、映画祭を通じた交流などにより、作品の表現の幅はさらに広がっています。
今回の第27回上海映画祭は、そうした流れの中で、中国映画がどのように世界の観客とつながっていくのかを考える場にもなりました。海外から来た若者のまなざしは、中国映画の未来に対する静かな期待を象徴しているようです。
私たちは中国映画から何を受け取るか
中国映画は、単に「遠い国の物語」ではなく、同じ時代を生きる人々の感情や葛藤を映し出す鏡でもあります。今回紹介したミラさんの経験は、異なる言語や文化を越えて映画が人と人をつなぐ力を持っていることを改めて思い出させてくれます。
ストリーミングや映画祭を通じて、中国映画を見る機会は日本でも少しずつ増えています。次に中国映画を観るとき、スクリーンの向こう側にいる人々の暮らしや思いに、少しだけ想像を広げてみる――。それが、国際ニュースでは伝えきれない「中国の姿」に触れる一歩になるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








