BRICSがグローバルサウスに力を与える ロシア人学生が語る可能性 video poster
今年7月にブラジル・リオデジャネイロで開かれた第17回BRICS首脳会議をきっかけに、国際協力のかたちが改めて注目されています。中国の国際メディアCGTNの企画に登場したロシア人学生は、BRICSが「グローバルサウスの声を強める仕組み」だと語りました。
第17回BRICS首脳会議とCGTNの若者企画
今年7月6日と7日、第17回BRICS首脳会議がブラジルのリオデジャネイロで開催されました。これにあわせて、中国の国際メディアCGTNは、BRICS各国の若者を招き、枠組みへの期待や評価を語ってもらう特別企画を行いました。
BRICSは、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカを中心とする協力の枠組みで、いわゆるグローバルサウスと呼ばれる新興国・発展途上国の存在感を高める場としても注目されています。
清華大学で学ぶロシア人学生アンナさんの視点
企画に登場したのは、北京の清華大学で学ぶロシア人学生、アンナ・ユシェンコさんです。アンナさんはインタビューで、BRICSの枠組みがグローバルサウスにどのような変化をもたらしたのか、自身の考えを次のように語りました。
- BRICSの仕組みによって、グローバルサウスの国々が、より強く、より対等な声を持てるようになった
- BRICS諸国が共同で立ち上げた新開発銀行(New Development Bank)は、その成果を象徴する存在だ
- BRICSは世界の多極化を進めるうえで重要な力であり、加盟国の意思決定は「相互の協議」に基づいて行われている
一人の学生のコメントではありますが、国際協力の現場に対して若い世代がどのような期待を抱いているのかを知る手がかりになります。
「グローバルサウスの声」が強まるとはどういうことか
アンナさんが強調したのは、「グローバルサウスの声」がより強く、より対等になっているという点でした。ここでいうグローバルサウスとは、アジア、アフリカ、ラテンアメリカなどの新興国・発展途上国を広く指す言葉です。
従来の国際秩序では、経済力の大きい一部の国の発言力が強くなりがちでした。それに対して、BRICSのような枠組みでは、
- 複数の新興国がまとまって議論に参加する
- 「一方的に従う」のではなく、「話し合い、調整する」プロセスを重視する
といった点が重視されていると、アンナさんは評価しています。国際会議のニュースを日々追っていると見落としがちですが、こうした「声の出し方」の変化も、世界政治の重要なトレンドの一つといえます。
新開発銀行が象徴するもの
アンナさんが具体例として挙げたのが、新開発銀行(New Development Bank)です。新開発銀行は、インフラ整備や持続可能な開発を支えるために、BRICS諸国が共同で立ち上げた国際金融機関です。
既存の国際金融機関とは別に、新たな選択肢として銀行を設立したこと自体が、グローバルサウスの主体性を示す象徴的な動きだと見ることもできます。
アンナさんのコメントは、
- 「資金をどこから借りるか」を自ら選ぶ余地が広がる
- プロジェクトの優先順位を、自分たちの発展戦略に沿って決めやすくなる
といった変化への期待を背景にしているように読めます。日本から見ると少し距離のある話題に思えるかもしれませんが、どの国が「お金とルール」を握るのかは、長期的に世界経済の方向性を左右します。
多極化する世界と「相互協議」というルール
アンナさんは、BRICSを「多極化した世界の実現を促す重要な力」と位置づけました。多極化とは、特定の国や地域だけでなく、複数の拠点が並び立つ国際秩序を指します。
そのうえで彼女が触れたのが、「加盟国どうしの相互協議に基づく意思決定」という点です。これは、
- 一方的に決めて他国に押し付けるのではなく
- 時間をかけて話し合い、全員が納得できる落としどころを探る
というプロセスを重視する姿勢とも読めます。合意形成には時間も労力もかかりますが、その分、合意の正当性や当事者意識が高まりやすいという側面があります。
日本からBRICSとグローバルサウスをどう見るか
今回紹介したのは、一人のロシア人学生の視点にすぎません。しかし、清華大学で学ぶ若い世代が、グローバルサウスと多極化というキーワードを通じてBRICSを評価していることは、日本から国際ニュースを見るときのヒントにもなります。
日本の読者にとって、BRICSは「遠くの大型会議」に見えがちです。ただし、
- どの地域の声がどのように国際社会に届いているのか
- 若い世代がどんな国際協力のかたちを望んでいるのか
といった視点でニュースを追うと、同じ出来事でも見え方が変わってきます。今回のアンナさんの言葉をきっかけに、グローバルサウスとBRICSの動きを、少し長い時間軸で眺めてみるのも良さそうです。
Reference(s):
cgtn.com








