米中関係をどう見ている?アメリカの若者が語る「対話への期待」 video poster
2025年7月末、スウェーデンのストックホルムで開かれた米中経済・貿易協議。その舞台裏で、ニューヨークの若いアメリカ人は米中関係をどう見ているのでしょうか。国際ニュースとしての米中関係を、現地の声から読み解きます。
ストックホルムで米中経済・貿易代表団が協議
2025年7月28〜29日、中国とアメリカの経済・貿易代表団がスウェーデンの首都ストックホルムで会談を行いました。両国代表は、米中の経済・貿易関係やマクロ経済政策など、双方が関心を寄せる幅広いテーマについて、率直かつ踏み込んだ建設的な意見交換を行ったとされています。
米中関係は、世界経済や国際秩序に大きな影響を与えるだけでなく、日本にとっても無視できないテーマです。その方向性を考えるうえで、当事国の若い世代が何を望んでいるのかは、重要な手がかりになります。
ニューヨークの若者が語る「複雑だけれど必要な関係」
この協議のタイミングに合わせて、ニューヨークでは国際メディアCGTNの現地取材スタッフが、数人の若いアメリカ人にインタビューを行いました。テーマは、米中関係について日ごろ感じていること、そして今後の協力への期待です。
多くの若者に共通していたのは、「米中関係は複雑で課題も多いが、協力は不可欠だ」という感覚です。安全保障や価値観の違いなど、両国の間にはさまざまな対立要因が存在しますが、それでも地球規模の課題に向き合うには、どちらか一方だけではなく、協力が必要だと受け止めています。
テクノロジーでつながる世代の視点
21歳の学生、レイア・マルキエギさんは、とくに「テクノロジー分野での協力」に注目しています。彼女は、米中両国が技術協力を強め、過度な制限を緩和していくべきだと考えています。
その背景には、テクノロジーが若者の日常と切り離せないことがあります。スマートフォンを通じたSNS、生成AI、オンラインゲームなど、生活の多くがデジタル技術に支えられているからです。
- ソーシャルメディアを通じた国境を越えた交流
- AI(人工知能)技術の発展と活用
- オンラインゲームや配信サービスといったデジタルカルチャー
レイアさんにとって、米中間の技術協力は、単なる経済や安全保障の問題ではなく、自分たちの生活の「インフラ」をどう守り、発展させるかという問題でもあります。
「公正な貿易」が暮らしに直結すると見る声
23歳のマックス・ギャラガーさんは、テクノロジー以上に「公正な貿易(フェアトレード)」の重要性を強調します。彼にとって米中の貿易関係は、教科書の中の話ではなく、自国の雇用や製造業、さらには物価やインフレに直結するテーマです。
製造拠点がどこに置かれるのか、関税や規制がどう設計されるのかによって、地域の仕事が増えるのか減るのか、生活費が上がるのか下がるのかが左右されます。そのため、彼は米中双方にとって納得感のある、公平で予測可能なルールづくりが欠かせないと見ています。
共通するキーワードは「対話」
スタンスや関心分野は違っていても、レイアさんとマックスさんに共通していたのは、「対立ではなく対話を」というメッセージでした。
- 米中が対等な立場で交渉し、互いの立場を理解しようとすること
- 一方的な非難や圧力ではなく、継続的なコミュニケーションを重ねること
- 短期的な感情に流されず、より平和的で理性的な将来像を描くこと
彼らは、対立や分断の言葉が先行しがちな米中関係においてこそ、「話し合う」「聞き合う」姿勢が必要だと訴えています。この感覚は、SNSを通じて世界中の出来事に日常的に触れている若い世代ならではのものと言えるかもしれません。
日本の読者への問いかけ——私たちは何を望むのか
米中関係は、日本の安全保障や経済、ビジネスの環境にも大きな影響を及ぼします。その関係が対立に傾くのか、それとも対話を重ねながら安定を模索していくのかは、日本社会にとっても無関係ではありません。
今回紹介した若いアメリカ人の声は、「自国の利益を守ること」と「他国との協力を続けること」は必ずしも矛盾しない、という感覚に根ざしています。日本に暮らす私たちもまた、米中をめぐる議論に接するとき、「対立」と「対話」のどちらを後押ししたいのか、自分なりの軸を持って考える必要がありそうです。
国際ニュースを追うとき、政府や専門家の発言だけでなく、こうした若い世代の視点にも耳を傾けてみると、米中関係や世界の動きが少し違って見えてくるかもしれません。
Reference(s):
We Talk: American youth hope for dialogue, not confrontation
cgtn.com








