イラン人青年スー・モンジエ、中国語学習から文化の大使へ video poster
中国語が開いた道:イランの若者が「文化の大使」になるまで
2017年に中国語の学習を始めたイラン出身のフェレシュテ・モクタリさん(中国名・スー・モンジエ)は、通訳や動画配信、ツアーガイドとして活躍し、中国とイランを結ぶ「文化の架け橋」のような存在になっています。本記事では、その歩みをたどりながら、語学が人生と国際交流をどう変えていくのかを考えます。
2017年、中国語との出会いと中国名の意味
スー・モンジエさんが中国語を学び始めたのは2017年です。友人がつけてくれたという中国名「スー・モンジエ」には、「純粋で美しい夢を持つ人」という意味が込められており、その名前は彼女の性格にぴったりだといいます。
しかし、学び始めた当初、中国語は決してやさしい言語ではありませんでした。声調と呼ばれる音の高低や、多くの漢字に苦戦し、多くのクラスメートが途中であきらめてしまったといいます。それでも彼女は学び続け、中国語だけでなく、中国の歴史や習慣、文化にも興味を広げていきました。この過程で、中国とのつながりは一時的な勉強ではなく「一生の縁」のようなものになっていきました。
国際博覧会での通訳デビュー
中国語学習が最初に大きく実を結んだのは、国際博覧会での通訳の仕事でした。これが彼女の初めての職場経験になりました。
会場では、多くの中国のパートナーと共に仕事をする機会がありました。彼らは親切で、熱心に仕事に向き合い、その姿勢がモンジエさんの心に強く残りました。中国語でやり取りを重ねるなかで、言語の勉強は単なる教科書の中の学びではなく、「人と人をつなぐリアルなコミュニケーション」になっていきました。
この経験は、中国語と中国文化への情熱をさらに強くするきっかけとなりました。
ショート動画で中国文化をイランに紹介
その後、スー・モンジエさんは新たな挑戦として、中国文化をイランの人々に紹介するショート動画の制作を始めました。動画では、中国の言葉や習慣、文化の魅力を、自身の言葉でわかりやすく伝えていきました。
この活動は大きな反響を呼び、フォロワーはすぐに約7万人にまで増えました。彼女はイランで知られるインターネット上の人気者となり、中国文化を身近に感じてもらう「オンラインの文化大使」としての役割を担うようになりました。
短い動画を通じて、中国への興味や親しみを持つ人が増えていく様子は、本人にとっても大きな手応えとなりました。
中国からの観光客を案内するツアーガイドへ
やがてモンジエさんは、ツアーガイドとして中国からの観光客を受け入れるようになります。今度は、中国語を使ってイランの歴史や文化を語る番です。
彼女は、中国から訪れた旅行者を案内しながら、自分の国の街並みや遺跡、文化的な背景を丁寧に紹介しました。観光客たちはイランの歴史に強い関心を示し、好奇心いっぱいの質問を投げかけてきたといいます。
ツアーの終わりに、旅行者から「帰国したら、家族や友人にもイランを勧めたい」と言われることもありました。その言葉は、モンジエさんにとって大きな喜びと誇りになりました。自分の努力と言葉が、国と国をつなぐきっかけになっていると実感できる瞬間だったからです。
語学がもたらした「新しい人生の選択肢」
スー・モンジエさんにとって、中国語を学ぶことは単なる学問上の選択ではありませんでした。それは、人生の新しい道を切り開くための選択でもありました。
中国語学習から始まり、国際博覧会での通訳、動画配信を通じた中国文化の紹介、そして中国からの観光客を案内するツアーガイドへと、彼女のキャリアは大きく広がっていきました。語学は試験のためだけのスキルではなく、「仕事」「出会い」「自己実現」につながる力であることを、自らの経験で体現しているといえます。
私たちがこのストーリーから考えたいこと
スー・モンジエさんの歩みは、語学や異文化に関心を持つ多くの人にとって、いくつかの示唆を与えてくれます。
- 難しい言語でも、あきらめずに続ければ新しい仕事のチャンスにつながること
- ショート動画など身近なツールでも、文化を伝える大きな力になりうること
- 観光や交流は、一人ひとりの経験を通じて国同士のイメージを変えていくこと
2017年に始めた中国語学習は、2025年の今もスー・モンジエさんの人生を形作り続けています。彼女の物語は、「一つの外国語を学ぶことが、どれほど多くの扉を開くのか」を静かに教えてくれます。
通訳として、動画クリエイターとして、ツアーガイドとしてーーイランと中国の間を行き来する彼女の姿は、グローバル化が進む現在、個人レベルの「文化の大使」としての新しいあり方を示していると言えるでしょう。
Reference(s):
Iranian youth's journey from Chinese learner to cultural ambassador
cgtn.com








