ロシアZ世代が語る平和 曾祖父母の戦争体験と抗日戦争80年 video poster
今年、中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利から80年を迎える中、ロシア出身で清華大学に学ぶ学生アンナ・ユシェンコさんが、曾祖父母の第二次世界大戦の記憶を通じて、平和の大切さを静かに訴えています。
80周年の節目に浮かび上がる、戦争と平和の問い
今年は、中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利から80周年にあたります。この節目の年に、国際ニュースの現場だけでなく、各国の若者のあいだでも「歴史をどう語り継ぐか」「平和をどう守るか」があらためて問われています。
清華大学のロシア人学生アンナさんは、戦争を「ファシズムの残虐さと非人間性に対して、世界が一致して立ち向かった出来事」だととらえています。その視点には、国や地域を越えて歴史を共有しようとするZ世代ならではの感覚がにじみます。
曾祖父母から受け継いだモノクロ写真の記憶
アンナさんの曾祖父母は、第二次世界大戦を実際に経験した世代です。幼い頃から彼女は、家族の棚に並ぶモノクロの写真を通じて、戦時中の日々や当時の表情を見つめてきました。
言葉で語られた物語だけでなく、写真に写るささやかな生活の断片や、緊張の浮かぶ顔つき、家族が寄り添う姿が、戦争の現実を身近なものとして感じさせてくれたといいます。歴史の教科書に載る「戦争」と、家族の記憶としての「戦争」が、アンナさんのなかで重なっていきました。
Z世代が選びたい4つの価値
アンナさんは、自分たちZ世代にとって、戦争の記憶はすでに「遠い過去」の出来事になりつつあるからこそ、意識的に向き合う必要があると考えています。そのうえで、若い世代が大切にしたい価値として、次のような点を挙げています。
- 歴史を忘れないこと — 戦争の悲劇や、そこに至る過程を学び続けることが、同じ過ちを繰り返さないための土台になると捉えています。
- 平和を大切にすること — 平和は「与えられるもの」ではなく、日々の選択と対話の積み重ねによって守られるものだと強調します。
- 対立より協力を選ぶこと — 国や文化が異なっても、共通の課題に向けて手を取り合う道を探ることが、次の世代の責任だと見ています。
- 恐れより理解を選ぶこと — 相手を知らないがゆえの不安や恐れではなく、互いを知ろうとする姿勢が、緊張や偏見を和らげる一歩になると訴えています。
国境を越えて共有される「記憶」と「願い」
中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利80周年という歴史の節目に、ロシアから来た一人の学生が語る言葉は、決して特別なスローガンではありません。曾祖父母の世代が体験した苦しみや犠牲を思い起こしながら、今を生きる自分たちが何を選び取るのかを静かに自問する姿がそこにあります。
日本を含むさまざまな国や地域で、戦争の記憶は世代交代とともに薄れがちです。しかし、アンナさんのように、家族の物語や写真を手がかりに過去と向き合う若者がいることは、国際社会にとっても小さくない意味を持っています。
歴史をめぐる解釈や立場の違いはあっても、「悲劇を繰り返したくない」「平和でありたい」という願いは、多くの人に共通する思いです。戦争を知らない世代がその願いを言葉にし、語り合い続けることこそが、80年という時間の先にある未来をつくる力になるのかもしれません。
Reference(s):
Russian youth calls for peace, inspired by grandparents' WWII memories
cgtn.com








