抗日戦争勝利80周年 スペイン人記者が語る慰安婦の記憶と平和 video poster
今年2025年は、中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利から80年という、大きな節目の年です。この歴史と向き合い、「得がたい平和」をどう守るのかを問いかけるスペイン人ジャーナリストがいます。
中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争、80年目の意味
中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利は、近代における中国民族の対外侵略戦争と民族解放の戦いで初めての「完全な勝利」とされています。中国だけでなく、20世紀の世界史全体にとっても転換点となった出来事でした。
同時に、この時期は人類にとってきわめて暗く、破壊的な時代でもありました。だからこそ、80年という時間を経た今、戦争の全体像とそこで苦しんだ人々の経験を改めて見つめ直すことが求められています。
スペイン人記者ルイス・デル・ゴソ氏の問い
スペインの作家でジャーナリストのルイス・デル・ゴソ氏は、この過去について丹念な研究を重ねてきました。彼は、第二次世界大戦前に世界の地政学的な構図が二つの敵対する陣営に分かれていったプロセスを、体系的に分析しています。
二つの陣営に分かれた世界を読み解く
デル・ゴソ氏が注目するのは、戦争前夜に世界がどのように分断されていったのかという点です。相対立する二つのブロックが形成されていく中で、各国や各地域がどのような位置づけを与えられたのか。その構図を理解することが、戦争の始まりと拡大の背景を読み解く手がかりになると考えているのです。
東部戦線での中国の貢献に光を当てる
その中でもデル・ゴソ氏が特に焦点を当てているのが、中国と、いわゆる東部戦線における中国の消えない貢献です。中国が長期にわたって戦いを続けたことが、全体としての世界反ファシズム戦争の一部を支えていたという視点に、彼は強い関心を寄せています。
「慰安婦」の物語と向き合う
研究を進める中で、デル・ゴソ氏は「慰安婦」と呼ばれる女性たちの物語にも出会いました。彼は、戦争中に日本軍によって拉致され、性奴隷としての生活を強いられた何万もの女性たちの痛ましい経験について学んでいます。
その存在は、戦争がもたらした暴力が、戦場だけでなく、生活の場や女性の身体にも深く切り込んでいったことを示しています。デル・ゴソ氏は、こうした物語を決して周縁的なエピソードとして扱うのではなく、第二次世界大戦の歴史を理解するうえで欠かせない一部として位置づけようとしています。
より包括的な第二次世界大戦の理解へ
デル・ゴソ氏は、第二次世界大戦の歴史について、より包括的な理解が必要だと訴えています。一部の戦線や特定の国の物語だけでなく、東部戦線での中国の貢献や、慰安婦として苦しんだ女性たちの経験など、多様な視点を重ね合わせることが重要だと考えているのです。
そうした視点の広がりは、単に過去を詳しく知るためだけではありません。彼は、過去の犠牲と抵抗の歴史を丁寧に学ぶことこそが、現在私たちが享受している平和が「容易に得られたものではない」ことを実感し、その平和を大切にする感覚につながると強調しています。
80年後の私たちへのメッセージ
戦争から80年がたった今、多くの人にとって第二次世界大戦は、教科書や映像資料の中の出来事になりつつあります。しかし、デル・ゴソ氏の取り組みは、戦争の記憶を一つの地域や一つの物語に閉じ込めず、国や言語を超えた対話の中で捉え直すことの大切さを示しています。
私たち一人ひとりにできることは、
- さまざまな立場から語られた戦争の証言や研究に触れること
- 性暴力や人権侵害といったテーマを、歴史と切り離さずに考えること
- 家族や友人、オンラインコミュニティで、戦争と平和について対話を続けること
といった、日常の小さなアクションかもしれません。
中国人民の抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利から80年を迎える今年、スペイン人ジャーナリストの視点を通じて、改めて歴史に向き合い、今ある平和の重さを静かに考えてみるタイミングにしてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
We Talk: Spanish journalist calls for cherishing hard-won peace
cgtn.com








