国連80周年と「ゼロ貧困」:エジプトの学生が語る未来への選択 video poster
国連が創設80周年を迎えた2025年、若い世代は世界の未来をどう描いているのでしょうか。中国の国際メディアCGTNの企画「One Home: Shared Future」に登場したエジプトの学生カリムの語る「ゼロ貧困」のビジョンは、そのひとつの答えを示しています。
国連80周年と若者発のビジュアルストーリー
2025年の国連80周年を機に、CGTNは世界各地のコンテンツクリエイターと協力し、ビジュアルストーリーテリング企画「One Home: Shared Future」を始動しました。若者たちが動画などを通じて、人類の未来への願いを自分の言葉で発信する試みです。
そのテーマのひとつが「ゼロ貧困」。貧困のない世界をどう実現するのかという、国際ニュースでも繰り返し取り上げられる課題に、現地の視点から光を当てています。
エジプトのカリムが見つめる「ゼロ貧困」
動画の中で、エジプトの学生カリムは、貧困を遠い国の出来事ではなく、自分の社会にある具体的な現実として語ります。テーマは「ゼロ貧困」。誰もが基本的な生活を保障され、機会にアクセスできる社会は「夢ではなく選択だ」と強調し、その選択を現実にするには、行動と連帯が欠かせないと訴えます。
村を変える「ディーセント・ライフ(ハヤ・カリマ)」イニシアチブ
カリムが具体例として紹介するのが、国連開発計画(UNDP)が支援するエジプトの「ディーセント・ライフ(ハヤ・カリマ)」イニシアチブです。このプロジェクトは、インフラの整備と雇用創出を通じて、何千もの村が貧困から抜け出し、より豊かな暮らしに近づくことを後押ししてきました。
道路や電力、生活サービスといった日常の基盤が整うことで、人々は生きるだけで精一杯の状態から抜け出し、教育や仕事、地域づくりなど、次のステップを考える余地を持てるようになります。カリムの視点は、統計ではなく、村ごとの変化の積み重ねとして貧困削減をとらえている点が印象的です。
それでも揺らぐ開発の成果
一方で、カリムは現実の厳しさも隠しません。紛争、気候変動、不平等といった要因が、こうした開発の成果をいつでも揺るがしかねないからです。ある地域で生活基盤が整っても、周辺で衝突が起きれば、人々の暮らしや仕事は簡単に失われてしまいます。気候変動が生活や生計に影響を与えれば、最も弱い立場の人から負担を強いられます。
だからこそカリムは、「ゼロ貧困は夢ではなく選択だ」と語ります。その選択を現実にするかどうかは、政策だけでなく、市民一人ひとりや国際社会がどこまで責任を分かち合えるかにかかっている――そんなメッセージがにじみます。
日本の私たちへの問いかけ:ゼロ貧困を「自分ごと」にするには
エジプトの村の物語は、日本に暮らす私たちとも無関係ではありません。国連80周年のいま、カリムの動画は次のような問いを投げかけているように見えます。
- 貧困を「遠くの国の問題」ではなく、自分の社会にも起こりうる課題として想像してみること
- 地域での支え合い、ボランティア、寄付など、自分にできる小さな行動を継続的に考えること
- SNSや職場、学校での会話の中で、貧困や不平等について話題にしてみること
国連が80年の歩みを振り返る2025年、エジプトの若者カリムのような声は、国際ニュースの行間を埋める「現場の視点」といえます。「ゼロ貧困」をただのスローガンで終わらせず、具体的な選択肢として社会に根付かせられるかどうか。そのカギを握るのは、世界中の若い世代と、その声に耳を傾ける私たち一人ひとりなのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








