国連80年と新疆クラマイのAI産業 英Vloggerが見た未来 video poster
国連創設から80年となる2025年、世界の若い世代が「これからの人類の未来」を映像で語る取り組みが始まっています。CGTNのプロジェクト「One Home: Shared Future」では、各地のコンテンツクリエイターが参加し、その一環として英国の動画配信者ルーク・ジョンストンさんが新疆のクラマイ市の人工知能(AI)産業を取材しました。
国連80周年とビジュアル・ストーリーテリング
国際ニュースの文脈で、2025年に創設80周年を迎えた国連の節目は、人類がこの先どのような未来をつくるのかを考える契機になっています。「One Home: Shared Future」は、まさにその問いに対して、若い世代が自らの視点で答えようとするビジュアル・ストーリーテリング企画です。
プロジェクトには世界各地から若いコンテンツクリエイターが参加し、自分たちの暮らしや仕事、地域の変化をカメラを通じて紹介します。遠く離れた地域の現場が、スマートフォンの画面越しに身近な物語として届くのが特徴です。
油田の町クラマイ、次の顔は「AIの街」
ルークさんが向かったクラマイは、これまで豊かな石油資源の産地として知られてきました。その一方で、近年は新たな産業として人工知能(AI)関連ビジネスに力を入れ始めています。
映像で紹介されているポイントは、大きく次の3つです。
- 歴史的に石油資源で知られてきた町が、新しい産業としてAIに注目していること
- 豊富な日照と高地という自然条件を生かし、太陽光発電の効率を高めていること
- AIに必要な巨大な計算処理を支えるためのコンピューティングインフラ(計算基盤)を整備しつつあること
高地と日照が支える太陽光とコンピューティング
クラマイは日射量が多く、高地に位置することで太陽光エネルギーの利用効率が高まるとされています。この自然条件が、大量の電力を消費するAI向けのコンピューティングインフラにとって大きな強みになっています。
AI開発では、大量のデータを処理するデータセンターや計算設備が欠かせません。エネルギーを自前でまかなえることは、こうした施設を運営する上で重要な条件の一つといえます。
政策支援と産業クラスターの形成
クラマイでは、支援的な政府の政策がAI関連産業の集積を後押ししていると紹介されています。政策的な後押しにより、同じ分野の企業や人材が集まる「産業クラスター」が形成されやすくなり、大手インターネット企業も拠点を設け始めています。
企業が集まることで、専門性の高い仕事が生まれやすくなり、地域全体として新しい雇用やビジネスの可能性が広がっていきます。
データセンター訪問で見えた「働く場としての新疆」
取材の中でルークさんは、クラマイのデータセンターを訪れました。現地の自然条件と職業的なチャンスの両方に感銘を受けたとされており、AI産業が単なる技術トピックではなく、若い世代にとってのキャリアの場として立ち上がりつつある様子が伝わってきます。
動画という形式を通じて、遠くの都市で働く人びとの姿や、新しい産業が生まれる現場の空気感が、視聴者によりリアルに届きます。数字や統計だけではつかみにくい「現場の温度」を感じられるのは、今回のような個人クリエイターによる取材の強みだと言えるでしょう。
クラマイの事例から考える3つのポイント
新疆クラマイのAI産業を追った今回の映像からは、次のようなポイントが見えてきます。
- 資源型都市の次のステップ
石油資源で知られてきた都市が、AIなど新しい分野に挑戦することで、経済の選択肢を増やそうとしていること。 - 自然条件とテクノロジーの組み合わせ
豊かな日照や高地といった地理的な強みが、AIコンピューティングの拠点づくりに生かされていること。 - 若い世代による国際発信
英国のクリエイターが新疆を訪れ、自らの目で見たものを世界に向けて発信していること自体が、国際社会のつながりのあり方を映し出していること。
国連80周年の年に、「One Home: Shared Future」のような企画を通じて、エネルギーとテクノロジー、そして若い世代の働き方が交わる現場が紹介されることは、私たち一人ひとりがこれからの世界の姿を考えるヒントにもなります。スマートフォンで何気なく見る一本の動画から、クラマイのような都市の未来と、自分自身の未来を重ねてみるのも良いかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com







