国連80周年とインドの漁師家族 女性起業家シバさんの紙皿ビジネス video poster
リード:国連80周年と一人のインド人女性
今年、創設80周年を迎えた国連を記念して、中国の国際メディアCGTNが世界のクリエイターと連携し、ビジュアルストーリーテリング企画「One Home: Shared Future」を始めました。本記事では、その中で紹介されたインドの女性シバ・ウンニクリシュナンさんの物語を、日本語でかみくだいてお伝えします。
国連80周年企画「One Home: Shared Future」とは
2025年、国連は創設80周年という節目を迎えています。これに合わせて、CGTNは世界各地のコンテンツクリエイターと協力し、One Home: Shared Future というビジュアルストーリーテリングキャンペーンを展開しています。
このキャンペーンは、世界中の若い世代に、人類の未来への希望やビジョンを自分たちの言葉と映像で共有してもらうことを目指したものです。国際ニュースで語られる大きなテーマを、日常の暮らしや個人のストーリーに引き寄せて紹介する試みともいえます。
インド南部・ケララ州の漁師家族に生まれたシバさん
今回とりあげるのは、インド南部ケララ州のトリシュール市に暮らすシバ・ウンニクリシュナンさんです。シバさんは漁師の一家の出身で、現在も夫は漁師として働いています。
夫の収入は、家族がなんとか生活費をまかなえる程度で、貯金をしたり、将来に向けて大きな買い物をしたりする余裕はほとんどありませんでした。シバさんの一家にとって、経済的な不安は日常と切り離せないものでした。
女性を支える団体SAFとの出会い
転機となったのは、地元の漁業に従事する女性を支援する団体 Society for Assistance to Fisherwomen(SAF)との出会いでした。SAFのサポートにより、シバさんはビジネスの研修を受け、開業資金や技術的な支援を受けることができました。
SAFは、漁師の家に生まれた女性たちが、自分の力で収入源をつくれるよう後押しする役割を担っています。シバさんも、その一人として新しい一歩を踏み出しました。
紙皿ビジネスの立ち上げと試行錯誤
シバさんが選んだのは、紙皿の製造・販売というビジネスでした。SAFからの研修と資金、技術支援を受けて、家族の生活を支える新しい仕事づくりに挑戦したのです。
スタート当初は、顧客を見つけることや、安定して商品を供給することに苦労したといいます。それでもシバさんは少しずつ経験を重ね、自分の紙皿を使ってもらえる場所や人を増やしていきました。
こうした地道な取り組みを続けるうちに、シバさんの紙皿は徐々に市場から認められるようになっていきました。
「生活するだけ」で終わらない未来へ
紙皿ビジネスが軌道に乗ると、シバさんの家族の暮らしは大きく変わりました。以前は家計がぎりぎりで、日々の支出で精一杯だった状態から抜け出し、新しい家や車を持てるようになりました。
また、子どもたちには、よりよい教育の機会を与えられるようになりました。これまで「なんとか暮らす」ことに追われていた家族が、「子どもの将来に投資する」ことを考えられるようになったのです。
こうした変化は、シバさん自身にとっても大きな自信につながりました。彼女は、自分の努力と周囲の支援によって家族の生活を前に進められたことを誇りに思っているといいます。
一人の物語が映し出す、国連80年のテーマ
国連創設80周年を記念するキャンペーンの中で、なぜシバさんのような個人の物語が取り上げられるのでしょうか。その背景には、持続可能な未来は国際会議だけでなく、地域の小さな挑戦からも生まれるという視点があります。
シバさんのケースでは、
- 地域に根ざした団体の支援があったこと
- 女性が経済活動の主体として力を発揮したこと
- 家計の安定が、子どもの教育など次世代への投資につながったこと
といった点が見てとれます。国際ニュースとしての大きな枠組みだけでなく、一人ひとりの生活に目を向けることで、私たちは「より良い未来」をより具体的にイメージできるようになります。
私たちへの問いかけ:希望をどう語るか
One Home: Shared Future キャンペーンは、若い世代に人類の未来への希望を語ることを呼びかけています。シバさんの物語は、その問いかけへの一つの答えです。
遠い国の一人の女性のストーリーではありますが、
- 身近な誰かの挑戦を応援すること
- 困難な状況でも、小さな一歩を積み重ねること
- 成功を自分一人のものではなく、家族や地域と分かち合うこと
といった姿勢は、私たちの日常にも重ねて考えることができます。
国連80周年の今年、自分にとっての「共有したい希望」とは何か。そんなシンプルな問いを持ちながら、シバさんの物語を味わってみるのもよいのではないでしょうか。
Reference(s):
UN@80: From financial struggle to a new house, an Indian woman's story
cgtn.com








