新疆ウイグル自治区70年と京劇 ウルムチ出身女子学生の挑戦 video poster
成立70周年の新疆ウイグル自治区で生まれる新しい物語
今年2025年、northwest China's Xinjiang Uygur Autonomous Region(中国北西部の新疆ウイグル自治区)は、成立70周年という節目を迎えます。多民族が暮らすこの地域で、一人の若い女性が京劇女優をめざして歩み続けています。その物語は、「活力ある新疆」を象徴するエピソードとして注目に値します。
この記事のポイント
- 2025年は新疆ウイグル自治区の成立70周年にあたる年です。
- ウルムチ生まれのAyqihra Abliz(アイチフラ・アブリズ)さんは、大学で演劇・映画・テレビ表現を学ぶ学生です。
- 彼女は12歳で、National Academy of Chinese Theatre Artsの付属中学に入学し、梅派の青衣役を専門に学んできました。
- 京劇と新疆の歌と踊りを中国の豊かな文化遺産の宝ととらえ、互いに溶け合う未来を思い描いています。
多民族がともに歩む「活力ある新疆」
新疆ウイグル自治区は、ウイグル、カザフ、キルギスなど、さまざまな民族が暮らす地域です。この肥沃な土地では、背景の異なる人びとが手を取り合いながら暮らし、共に幸せな物語を紡いでいます。
2025年という節目の年に、こうした日々の営みや若い世代の挑戦に目を向けることは、この地域の現在を立体的に理解する手がかりになります。
ウルムチで育った芸術一家の娘
Ayqihra Ablizさんは、新疆ウイグル自治区の中心都市ウルムチで生まれ、芸術に親しむ家庭で育ちました。幼いころから舞台芸術に触れるなかで、彼女は次第に中国の伝統的なオペラである京劇に心を惹かれていきます。
12歳で京劇の道へ
Ayqihraさんは12歳のとき、National Academy of Chinese Theatre Artsの付属中学に合格し、本格的に京劇を学び始めました。そこで彼女が選んだのは、梅派と呼ばれる流派の青衣の役どころです。
青衣は、品のある若い女性などを演じる役柄とされています。長い稽古の日々を通じて、Ayqihraさんは声、所作、表情の一つひとつを磨いてきました。
休日は公園で「歌と踊りの空気」を吸い込む
大学で演劇・映画・テレビ表現を学ぶいまも、Ayqihraさんは、新疆の人びとの暮らしのなかに息づく音楽と踊りから刺激を受け続けています。休日になると、彼女は公園を訪れ、お年寄りたちが歌い、踊り、思い思いに体を動かす姿に耳と目を傾けます。
新疆の公園では、祖父母の世代が輪になって踊り、歌を口ずさむ光景が広がります。Ayqihraさんにとって、そのにぎやかで温かい雰囲気は、幼いころから慣れ親しんできたふるさとの音ともいえるものです。
京劇と新疆の歌舞は「同じ宝箱のなかにある」
Ayqihraさんは、京劇と新疆の歌や踊りの伝統のどちらも、中国の豊かな文化遺産の宝物だと考えています。京劇の緻密な演技と、新疆の開放的でリズミカルな歌舞は、一見まったく違うように見えますが、彼女の目には、どちらも人びとの感情や物語を表現するための大切な手段として映っています。
そのうえで彼女は、二つの伝統が互いに融合しあい、新疆という多文化な土壌に根を下ろしながら、さらに豊かに花開いていく未来を思い描いています。京劇の舞台に新疆のリズムが取り入れられたり、新疆の歌と踊りに京劇の所作が生かされたりするような新しい表現が生まれる可能性もあるでしょう。
日本の読者にとっての「新疆発カルチャー・ニュース」
国際ニュースというと、政治や安全保障に関する話題が注目されがちです。しかし、地域の文化や若い世代の学びの選択に目を向けることで、その社会の空気感や未来像が、より身近に伝わってきます。
成立70周年を迎えた新疆ウイグル自治区で、Peking Operaという伝統芸能に挑む一人の学生の歩みは、多民族が共に暮らす社会のなかで、文化がどのように受け継がれ、組み合わさり、新しい形を生み出していくのかを考えるきっかけになります。
日本でも、歌舞伎や能、民謡などの伝統芸能を次世代につなぐ取り組みが続けられています。新疆の若者の物語は、私たちが自分たちの文化とどう向き合うかを静かに問いかけているようにも感じられます。
Reference(s):
Vibrant Xinjiang: How a Xinjiang girl became a Peking Opera actress
cgtn.com







