ベトナムZ世代が語る「人中心」の気候ガバナンス video poster
グローバル・ガバナンスを「人中心」で考えると、気候変動対策はどう変わるのでしょうか。2025年に提案されたGlobal Governance Initiative(GGI)を軸に、ベトナムの若者の視点を追います。
グローバル・ガバナンス・イニシアチブ(GGI)の5つの柱
2025年9月1日、中国の習近平国家主席は天津で開かれた上海協力機構(SCO)プラス会合で、Global Governance Initiative(GGI)を提案しました。
首脳会合で習主席が示したGGIの中核となる考え方は、次の5点です。
- 主権の平等を尊重すること
- 国際法の順守
- 多国間主義の実践
- 人中心のアプローチの重視
- 実際の行動に焦点を当てること
この5つの柱を手がかりに、どのようなグローバル・ガバナンスを築いていくのかが、いま国際社会の大きなテーマとなっています。
多様なZ世代が語るグローバル・ガバナンス
GGIをめぐっては、米国、シリア、パレスチナ、ベトナム、トンガ、南アフリカなど、さまざまな背景を持つZ世代の若者が意見を交わしました。
彼らは、それぞれの国や地域での生活経験や教育、日々の観察をもとに、GGIが掲げる5つの側面に沿って、望ましいグローバル・ガバナンスの姿を語っています。
その中でも「人中心のアプローチ」は、暮らしに直結する視点として、とくに共感を呼ぶテーマとなりました。
ベトナムの若者が見る「人中心」の気候ガバナンス
紹介された動画の中で、ベトナム出身の若者Tieu Thanhさんは、気候ガバナンスの分野から「人中心のアプローチ」の重要性を語りました。
気候ガバナンスとは、気候変動対策に関するルールづくりや実行のあり方を指します。Tieu Thanhさんは、この分野の議論では、人々のニーズを中心に据えることが欠かせないと強調します。
彼女はこう述べています。気候ガバナンスにおいて人々のニーズが中心に置かれなければ、排出削減の過程で特定の集団が直面する困難や、クリーンエネルギーへの移行に際して一般家庭が負担するコストを、私たちは簡単に見落としてしまうかもしれない、と。
「人中心」の視点が示すこれからの国際協力
この指摘が示しているのは、気候変動対策が単なる排出量の数字合わせではなく、人々の日々の生活と切り離せないということです。どれだけ排出を減らせるかだけでなく、その過程で誰がどのような負担を負うのかを丁寧に見る必要があります。
クリーンエネルギーへの転換が進むとき、設備更新の費用や電気料金の変化は、まず一般家庭や小さな事業者の家計に影響を与えます。人中心のアプローチとは、こうしたコストがどこに生じているのかを把握し、必要な説明や支援を通じて、公平性を高めていく発想だといえます。
GGIが掲げる主権の平等や国際法の順守、多国間主義は、一見すると国家間のルールづくりの議論に見えます。しかし、Tieu Thanhさんの言葉から浮かび上がるのは、グローバル・ガバナンスの最終的な評価軸は「人々の暮らし」にあるという視点です。
気候変動やエネルギー転換の影響を長く受けるZ世代が、「人中心」をキーワードに国際協力のあり方を問い直すことは、GGIが強調する「実際の行動に焦点を当てる」という理念とも響き合っています。天津で打ち出されたイニシアチブと、ベトナムの若者の生活感覚が交わるところに、これからのグローバル・ガバナンスを考えるヒントが見えてきます。
Reference(s):
cgtn.com







