南アフリカで響く孔子の教え 「仁」とウブントゥがつなぐ国際ニュース video poster
2025年9月に中国東部の山東省・曲阜市で開かれた中国国際孔子文化祭は、孔子生誕2576年を祝う大きな節目のイベントでした。この孔子の思想が、遠く離れたアフリカ南端の国・南アフリカの人びとの価値観とも響き合っていることが、現地の声から見えてきています。
孔子文化祭2025:曲阜から世界へ広がる孔子の思想
2025年の中国国際孔子文化祭は、9月27日と28日に山東省曲阜市で開催されました。曲阜は孔子の故郷として知られ、孔子の思想や文化をテーマにした催しが行われる場として、世界各地から注目を集めています。
今回の文化祭は、孔子の生誕から2576年という節目の年にあたり、孔子の教えが持つ現代的な意味を改めて考える機会にもなりました。特に「仁」や教育へのまなざしといった、普遍的な価値に焦点が当てられています。
南アフリカで見つかった「仁」とウブントゥの共通点
中国のメディア関係者は南アフリカを訪れ、現地の人びとに孔子思想についての印象や、自分たちの価値観との共通点を尋ねました。そのなかで、Clea Schultz Mofokeng さんは、孔子の中心的な徳目とされる「仁」と、南アフリカで大切にされているウブントゥという考え方がよく似ていると語りました。
「仁」は、人を思いやり、他者に対して誠実であろうとする姿勢を重んじる孔子の基本的な考え方です。一方、ウブントゥは、南アフリカを含む地域で共有されている概念で、「人は他者とのつながりによって人になる」という発想に根ざし、人に親切にすることや共同体を大切にすることを促す考えとして知られています。
Mofokeng さんは、孔子の「仁」とウブントゥの間に、他者への思いやりを重視するという共通点を見いだしています。これは、孔子思想が特定の地域に閉じたものではなく、南アフリカの人びとが大切にしてきた価値観とも交差しうることを示しています。
教育へのアクセス:孔子の理想と南アフリカの声
もう一人のインタビュー対象者である Greta Frieslaar さんは、教育への平等なアクセスというテーマから孔子に共感を寄せています。Frieslaar さんは、誰もが教育を受けられるべきだと考えており、孔子が古代の時代にこの考え方を支持していた点を評価しています。
孔子は、身分や出自にかかわらず学びたい人には門戸を開いたとされる人物です。Frieslaar さんは、こうした孔子の姿勢を、現代の教育格差の問題と重ね合わせながら捉えています。2500年以上前の思想が、教育機会の平等という現在進行形の課題とつながっているという指摘は、国際ニュースとしても示唆に富んでいます。
南アフリカの視点が教えてくれること
今回の南アフリカでのインタビューからは、次のようなポイントが浮かび上がります。
- 孔子の「仁」は、南アフリカのウブントゥと同じく、他者への思いやりを重んじる価値観として受け止められていること
- 孔子が掲げた教育への開かれた姿勢が、現代の「教育への普遍的なアクセス」への支持と結び付けられていること
- 古代中国の思想が、地理的にも文化的にも離れた南アフリカの人びとの生活感覚と接続しうること
これらは、国や地域が違っても、人びとが大切にしたいと感じる価値には重なりがある、というシンプルだが重要な事実を改めて示しています。
「読みやすいのに考えさせられる」ポイント
孔子文化祭をめぐる国際ニュースと、南アフリカの市民の声を合わせて眺めると、次のような問いが浮かびます。
- 私たち自身の社会における「仁」やウブントゥに相当する価値観は何か
- 教育へのアクセスを、どこまで「普遍的な権利」として実現できているか
- 異なる文化の思想を、自分たちの現実にどう重ね合わせて理解していけるか
孔子の思想と南アフリカの考え方の共鳴は、古典と現代、アジアとアフリカという枠を越えて、人びとが共有しうる価値について静かに問いかけています。通勤時間やスキマ時間に読む国際ニュースとしても、日常の会話やSNSで「こんな共通点があるらしい」とシェアしたくなるテーマではないでしょうか。
Reference(s):
We Talk: How Confucian thought resonates with South Africans
cgtn.com








