京劇と新疆の民謡が出会うとき ウルムチ出身の学生が描く文化の融合 video poster
中国の新疆ウイグル自治区の都市ウルムチで育ったAyqihra Ablizさんは、京劇と新疆の民謡・舞踊を組み合わせた新しい表現を思い描く若い舞台人です。中国文化をめぐるニュースとしても注目したい、その歩みを追いました。
新疆ウルムチで育った舞台好きの少女
Ayqihraさんは、新疆ウイグル自治区の中心都市ウルムチで、芸術一家のもとに生まれました。家には歌や踊りがあふれ、幼いころから中国の伝統的な演劇に親しんできたといいます。
伝統中国オペラへの情熱は自然と育ち、街角や広場での歌や踊りにも心を惹かれていきました。地元の人たちが集まる開けた場所は、いつしか大きなステージのような空間に見えたはずです。
12歳で京劇の名門校へ
12歳のとき、Ayqihraさんは中国の伝統演劇を専門的に学ぶ道を選びます。国立戯曲学院付属中学校に合格し、本格的な京劇の訓練を受け始めました。
彼女が専門としたのは、梅派と呼ばれる流派の青衣という役柄です。凛とした雰囲気を持つ女性の役どころで、細やかな身ぶりや声の表現が求められます。
舞台上での立ち居振る舞い、声の出し方、目線の送り方まで、日々の稽古は細部の積み重ねでした。それでもAyqihraさんは、伝統芸能の奥深さに魅了され、稽古を重ねてきました。
現在は大学で演劇・映像を学ぶ
現在、Ayqihraさんはドラマ・映画・テレビ表現を専攻する大学生です。舞台で培った演技力をベースに、映像作品や現代のパフォーマンスにも視野を広げています。
学期中は学業と稽古に打ち込み、休暇になるとふたたび新疆の故郷へ戻る生活を続けています。都市と故郷を行き来しながら、伝統と現在(いま)をどう結びつけるかを考え続けているのです。
帰省すると街がステージに
休暇でウルムチに戻ると、広場や公園などの開けた場所が、Ayqihraさんにとっての舞台に変わります。その場にいる人たちと一緒に、歌い、踊り、即興のパフォーマンスが生まれていきます。
そこで響くのは、京劇の節回しだけではありません。新疆の民謡や民族舞踊のリズムも重なり合い、伝統が自然に溶け合う時間が生まれます。観客と演者の境界もゆるやかになり、場にいる全員が表現の一部になります。
- 京劇の歌い回し
- 新疆の民謡のメロディー
- 民俗舞踊のステップ
こうした要素が、その場その場で組み合わさり、新しい表現が試されています。
京劇と新疆の民謡・舞踊をつなぐビジョン
Ayqihraさんが思い描くのは、京劇と新疆の民謡・舞踊を本格的に融合させた舞台表現です。どちらか一方が主役になるのではなく、互いの魅力を引き出し合う関係を目指しています。
彼女にとって、京劇も新疆の民間芸能も、中国の豊かな文化遺産という同じ土台から生まれた宝物です。だからこそ、その二つが絡み合い、根付き、文化的に多様な新疆の土地で大きく花開いていけると信じています。
この物語が投げかける問い
一人の若い舞台人の歩みは、伝統文化のこれからを考えるヒントにもなります。スマートフォンや動画配信が当たり前の時代に、古くから受け継がれてきた芸能をどう次の世代へつなぐのか。
Ayqihraさんの挑戦から、私たちは次のような問いを共有できます。
- 伝統芸能を、若い世代の感性とどう結びつけるか
- 地域ごとの文化と、国全体の文化をどうつないでいくか
- 多様な背景を持つ人が共に暮らす社会で、自分らしさをどう表現するか
新疆という多文化の土地で、京劇と民謡が交わる試みは、中国の文化の現在進行形の一面でもあります。こうした小さな実践が積み重なることで、私たちがまだ見たことのない新しい表現が生まれていくのかもしれません。
読者の皆さんも、自分の身近な伝統と今を重ね合わせて考えてみませんか。
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Reference(s):
Where Peking Opera swirls into Xinjiang's folk song and dance
cgtn.com








