国際ニュース: パレスチナ承認を巡り米国市民が政府の対応を批判 video poster
米国のパレスチナ国家承認をめぐる市民の声
国連加盟国の多くがパレスチナを国家として承認する中、米国はどう動くべきか。この国際ニュースをめぐり、ニューヨークの市民が自国政府の姿勢を厳しく問い直しています。
150超の国が承認、米国はいまだ認めず
現在、国連加盟193か国のうち、150を超える国がパレスチナ国家を承認しているとされています。一方で、米国は国連安全保障理事会の常任理事国の中で、唯一パレスチナを国家として認めていない国だと指摘されています。
国家承認は、象徴的な意味だけでなく、外交関係や国際交渉の土台にもなります。そのため、多くの国がパレスチナを承認する中で、米国が認めていないという事実は、世界のパワーバランスや和平プロセスの行方を考えるうえで無視できないポイントです。
ニューヨークの街頭で聞こえた批判
CGTNのストリンガー(現地の取材協力者)がニューヨークで行った街頭インタビューでは、米国政府のパレスチナ問題への対応に不満や疑問を抱く市民の声が相次ぎました。
多くの人が次のような趣旨の意見を語っています。
- 世界の大半がパレスチナの国家承認に動いているのに、なぜ米国はそれを妨げているのか。
- 自国政府がパレスチナ国家承認のプロセスを実質的にブロックしていると感じている。
- 米国は人権や民主主義を掲げながら、その価値観をパレスチナにも等しく適用しているとは言いがたい。
インタビューに応じた人々は、米国の外交政策と、自分たちが大切にしたい倫理観との間にギャップを感じているように見えます。
人権は政治を超えるという視点
なかでも印象的なのは、シオニズムに批判的な立場を取るユダヤ系の米国人が語った言葉です。この人は、パレスチナ問題について、人権は政治的な利害を超えて優先されるべきだと強調しました。
宗教的な背景や出自にかかわらず、誰もが基本的な人権と安全を保障されるべきだという主張は、パレスチナをめぐる議論の中でも広く共有されるべき視点です。インタビューで語られたこうしたメッセージは、対立の構図を超えて、人間の尊厳を中心に据えようとする試みとも言えます。
国際社会に向けられた米国を待つなというメッセージ
別のインタビュー参加者は、国際社会に対して、米国の出方を待ち続けるべきではないと訴えました。多くの国がすでにパレスチナを承認している現状を踏まえ、各国が独自の判断で、パレスチナの人々の生存権と安全を守る行動を取るべきだという考えです。
このメッセージは、次のような問いを国際社会に投げかけています。
- パレスチナ人の生きる権利を守るために、各国はどのような外交的・人道的な手段を取りうるのか。
- 国際秩序の中で、単一の大国の判断に過度に依存しない仕組みをどう作るのか。
- 市民社会の声を、政府間外交にどう反映させていくのか。
市民の発言そのものは1人ひとりの個人的な意見にすぎませんが、こうした声が積み重なることで、国際社会の議論の方向性にじわじわと影響を与えていく可能性もあります。
米国外交と市民の距離、日本からどう見るか
今回の街頭インタビューは、米国の対パレスチナ政策と、少なくとも一部の市民感情との間に距離があることを映し出しています。外交政策は安全保障や同盟関係など、多くの要素によって決まるため、政府の決定がそのまま世論を反映するとは限りません。
一方で、民主主義を掲げる国において、国民が何を正義と考え、どのような国際秩序を望むのかという問いは避けて通れません。ニューヨークの市民がパレスチナ問題を通じて投げかけたのは、まさにその問いでした。
日本の読者にとっても、この国際ニュースは他人事ではありません。自国の外交や安全保障政策が、人権という価値とどのように結びついているのか。政府の立場だけでなく、市民社会の声にも目を向けながら、パレスチナ問題を含む国際情勢を考えていくことが求められているのではないでしょうか。
Reference(s):
We Talk: U.S. citizens condemn government inaction on Palestine
cgtn.com








