米連邦政府の一部閉鎖続く ニューヨークで高まる市民のいら立ち video poster
今年10月1日、米上院で短期的な歳出法案が成立しなかったことを受けて、連邦政府が約7年ぶりに一部閉鎖に追い込まれました。開始から時間がたった今も閉鎖は続いており、米国社会では影響といら立ちの声が広がっています。
10月1日に始まった約7年ぶりの政府閉鎖
今回の政府閉鎖は、連邦政府の予算をつなぐための短期的な歳出法案が上院を通過せず、必要な支出の裏付けが途切れたことがきっかけです。連邦政府の多くの機関は通常どおり業務を続けられず、一部の機能を停止せざるをえない状況になりました。
政府の指針では、国民の生命や安全を守るために不可欠とみなされる「必須業務」に従事する職員を除き、数十万人規模の連邦政府職員が無給の休暇扱いとされています。その結果、公共サービスの一部停止や各種手続きの遅延が生じるおそれがあります。
また、政府機関が集計・公表を担う経済データの発表も影響を受けるとされています。雇用や物価などの統計が予定どおりに公表されない場合、企業や投資家、市民が経済の現状をつかみにくくなり、先行きへの不透明感が強まる可能性があります。
ニューヨークで聞こえる市民の声
国際メディアのCGTNは、閉鎖が続くなかでニューヨークの市民に取材を行いました。インタビューに応じた人びとの言葉からは、政治的なこう着状態への不満と、日常生活への不安がにじみ出ています。
ニューヨーク在住のベッキー・アダムズさんは、現在の状況について「結局、苦しむのはアメリカ国民だ」と述べました。政治の停滞のツケが、直接には何の決定権も持たない市民や公務員に回ってきていると感じている様子がうかがえます。
別の市民、マイルズ・ブラウンさんは「政府は、いまのアメリカ国民の感覚を本当に代表しているとは思えない」と話しました。政府と人びとの意識の間に大きなずれがあると受け止めており、政治への信頼の揺らぎを示す発言ともいえます。
公共サービスへの影響と、市民の不安
政府閉鎖の影響は、目に見える形と見えにくい形の両方で広がります。目に見える部分では、窓口業務や各種申請の処理が遅れたり、問い合わせへの対応に時間がかかったりすることが想定されます。日常生活で政府サービスに依存している人ほど、負担を感じやすくなります。
一方で、統計の公表や政策立案の準備といった、ふだん意識されにくい仕事も止まりがちになります。これらは短期的には気づきにくいものの、長引けば経済運営や社会保障の設計など、より大きなレベルでの影響につながりかねません。
読者が考えたい3つのポイント
今回の米国政府の閉鎖をめぐって、私たちが考えてみたい論点を三つ挙げます。
- 政治的な対立が解けないときに、政府機能の一部停止というかたちで圧力をかけることは、どこまで許されるべきなのか。
- 無給の休暇に追い込まれた公務員や、サービス停止の影響を受ける市民など、今回のコストをもっとも負担しているのは誰なのか。
- 世界経済に大きな影響を持つ米国で政府閉鎖が起きることは、日本やアジアを含む他の国や地域にとってどのような意味を持つのか。
今回、ニューヨークで聞かれた市民の声は、単なる一時的ないら立ちにとどまらず、政治と市民との距離、そして民主主義のあり方に対する静かな問いかけでもあります。政府閉鎖のニュースを、遠くの出来事として眺めるのではなく、自分たちの社会の仕組みを見直すきっかけとして受け止めることができるかどうかが問われています。
Reference(s):
Public voices frustration as U.S. government shutdown continues
cgtn.com








