ガザ停戦と住民の声 水と仕事を失った2年の先の希望 video poster
ガザ地区で約2年続いた戦闘の末、2025年10月9日にイスラエルとハマスの停戦合意が発表されました。国際ニュースとしても注目されるこの動きの中で、最前線で暮らしてきた住民は何を失い、どんな「ふつうの生活」を取り戻そうとしているのでしょうか。
約2年の戦闘を経て合意された停戦
停戦合意は、ガザ地区で続いていた戦闘が始まってから約2年を経て発表されました。合意に基づく計画の第一段階は、イスラエル側とハマス双方によって承認されたとされています。
しかし、戦闘が止まったからといって、すぐに生活が元通りになるわけではありません。インフラの被害や仕事の途絶、心理的なストレスなど、ガザの人々が向き合う課題は今も重くのしかかっています。
「水も仕事も」奪われた日常
現地からのリポートによると、多くのガザ住民が戦闘の間、生活の基盤そのものを失ってきました。特に象徴的なのが、祖母のサラーム・シュベイルさんの証言です。
水が手に入らず、炊き出しに頼る暮らし
シュベイルさんの家族は、長い間、水道から水が出ない状況に置かれてきました。飲み水や生活用水を自力で確保することができず、地域の慈善団体が提供する炊き出しやチャリティーキッチンに頼って、なんとか日々をしのいできたといいます。
家庭で当たり前に行われていた、料理をつくる、洗濯をする、子どもを清潔に保つ――そうした日常の細かな行為一つひとつが、戦闘によって途切れてしまいました。
働きに出られない息子、途切れた収入
シュベイルさんは、息子が仕事に戻れる日を待ち続けています。戦闘によって雇用は不安定になり、多くの人が収入源を失いました。家族の稼ぎ手が働けなくなることは、単に家計の問題にとどまらず、将来への見通しを失うことでもあります。
「息子が再び働けるようになり、家族みんなが普通の生活に戻れることを願っています」。戦闘の2年間で積み重なった不安は簡単には消えませんが、それでも彼女は、静かにそう語っています。
住民が願うのは「続く停戦」と「普通の生活」
シュベイルさんが口にしたのは、停戦そのものへの期待でした。彼女は、今回の停戦が一時的なものではなく、長く続いてほしいと願っています。
その願いの背景には、「とにかく戦闘が再開しないでほしい」という切実な思いがあります。爆発音におびえ、生活インフラが断たれ、明日の暮らしすら見えなかった日々を経験した人々にとって、「静かな夜が続くこと」自体が大きな希望だからです。
停戦はゴールではなくスタートライン
停戦が合意された今、ガザの人々にとって重要なのは、「戦闘が止まった」その先をどう築いていくかという点です。
- 安全な飲み水や電気など、基本的な生活インフラをどう回復するか
- 失われた仕事や収入をどのように取り戻していくか
- 子どもたちの教育や健康をどのように守り直していくか
こうした一つひとつの現実的な課題を乗り越えていかなければ、「停戦」は本当の意味での「平和」にはつながりません。
遠く離れた私たちが考えたいこと
日本から見ると、ガザでの戦闘や停戦は、地理的にも心理的にも遠い出来事に感じられるかもしれません。しかし、シュベイルさんの「水がほしい」「仕事に戻りたい」「普通の生活を送りたい」という言葉は、多くの人にとってごく当たり前の願いであり、その普遍性は私たちの生活とも重なります。
国際ニュースとして戦闘や停戦の「大きな動き」を追うだけでなく、その影で暮らす一人ひとりの生活や感情に目を向けることは、世界を見る視点を少しずつ変えてくれます。
ガザの停戦が長く続き、シュベイルさんの家族をはじめとする人々が、再び安定した日常を取り戻せるのか。これからの報道を通じて、その行方を見守っていく必要があります。
Reference(s):
cgtn.com








