米中協力は「共創」へ APEC首脳会議と米国青年のメッセージ video poster
2025年10月末に韓国で開かれた第32回アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議や、釜山での習近平国家主席とドナルド・トランプ米大統領の会談を背景に、中国と米国の「ウィンウィンな協力」を願う米国青年の声が発信されています。
APEC首脳会議と若者キャンペーン
第32回アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議は、2025年10月31日から11月1日まで大韓民国・慶州で開催され、『Building a Sustainable Tomorrow – Connect, Innovate, Prosper』をテーマに掲げました。この国際ニュースは、アジア太平洋地域だけでなく世界のガバナンス(国際的なルール作り)の行方を占う場として注目されました。
中国の国際メディアCGTNは、会議にあわせて若者参加型のソーシャルキャンペーン『Act To Action』を立ち上げ、APECの全メンバーの若者に対し、国際協力やグローバルガバナンスについて自らの経験や提案を共有するよう呼びかけました。
釜山での米中首脳会談と「若い声」
APEC首脳会議の直前にあたる10月30日には、大韓民国の釜山で中国の習近平国家主席と米国のドナルド・トランプ大統領が会談しました。アジア太平洋地域の協力を話し合うタイミングでの米中首脳の対話は、両国関係の行方に注目する世界の関心を集めました。
こうした首脳レベルの外交の一方で、『Act To Action』では、草の根レベルの視点から米中関係を見つめる若者の声も取り上げられています。そのひとりが、中国で暮らし、学んだ経験を持つ若い米国人、カイル・サイクスさんです。
中国で暮らし、学んで見えた「相互依存」
サイクスさんは、中国での留学や生活を通じて、中国の人びとの日常や価値観に触れてきました。言葉や文化の違いを乗り越えながら交流する経験から、米中両国の社会は想像以上に多くを共有していると感じるようになったといいます。
彼は、経済や技術、環境といった分野で、中国と米国はともに世界の安定とイノベーションに不可欠な存在だと強調します。そのうえで、両国の関係がゼロサムの「競争」から、互いの強みを生かしあう「共創」へとシフトしていくことに期待を寄せています。
「ウィンウィン協力」は何を意味するのか
サイクスさんの言う「ウィンウィン」とは、一方が得をすれば他方が損をする、という発想から離れることを意味します。例えば、気候変動対策や新しいデジタル技術のルール作りでは、米中が協力すれば、より大きな成果を国際社会にもたらすことができます。
逆に、互いを戦略的なライバルとしてだけ捉えれば、短期的には国内向けの支持を得られるかもしれませんが、長期的には不確実性や分断を深めるリスクがあります。サイクスさんは、両国が「共創」の発想を持つことで、グローバルな課題により建設的に向き合えると見ています。
米中関係を支える「若い世代」の役割
『Act To Action』キャンペーンが象徴するように、国際ニュースの裏側には、若い世代のさまざまな経験や声があります。特に中国と米国のように影響力の大きい国どうしの関係では、次のような若者の役割が重要になってきます。
- 留学や仕事を通じて、相手国の日常や価値観を直接見聞きする
- SNSを活用し、自分の経験や学びを発信する
- 偏ったイメージやステレオタイプに疑問を投げかける
- 国境を越えた共同プロジェクトやスタートアップに参加する
こうした積み重ねは、外交交渉や首脳会談だけでは生まれない信頼の土台になります。サイクスさんのメッセージは、対立よりも対話と協力を選びたいと考える若い世代の一つの姿を映し出していると言えるでしょう。
私たちにとっての「共創」とは何か
今回の米中関係に関するニュースは、アジア太平洋地域や日本に暮らす私たちにとっても無関係ではありません。サプライチェーン、エネルギー、テクノロジー、そして文化交流まで、多くの分野で中国と米国の決定が日々の生活に影響を与えています。
だからこそ、国際ニュースを「遠い世界の話」として消費するだけでなく、自分ならどのような協力や共創ができるかを考えてみることが大切です。仕事で海外チームと協力すること、留学生の友人に関心を持って話を聞くこと、SNSで建設的な情報をシェアすることなど、小さな行動の積み重ねが未来の国際関係を形づくっていきます。
中国と米国の若者が互いから学び合い、共に課題解決に取り組もうとする姿は、分断よりもつながりを重視する新しい時代の価値観を示しています。サイクスさんの「競争から共創へ」という呼びかけをきっかけに、私たち一人ひとりも、自分の足元からできる国際協力の形を考えてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
We Talk: An American youth's hope for win-win China-U.S. cooperation
cgtn.com








